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れに納得したのだ。だがしかし、どうであろうか。スケッチブックから目を離した秋雲の顔は、思案に染まった物であり、そこに知る人間特有の優越感といった物は見られない。
だが、望みが無い訳でもない。秋雲の相を覆うのは思案だ。知らぬ、といった物ではない。それはどこかで聞いた情報を、必死に記憶の中から探して出そうとしている相にも曙には見えたのだ。
「あー……なんだったかなぁ……鬼……」
「鬼!?」
秋雲の口から出てきた物騒な単語に、漣が目を剥いた。
「確か……うーん……首?」
「首……!?」
続いて秋雲の口から転がってきた何やら危険な感じの単語に、曙が一歩引いた。
「あぁー……あぁ! 悪魔!!」
「悪魔!?」
そして今度は秋雲の言葉に二人して同時に叫んだ。
暫し黙り込んだ後、曙と漣は顔を見合わせ、次いで秋雲を同時に睨んだ。睨まれた秋雲は、スケッチブックで顔の下半分を隠して僅かに腰を引いた。それほどに二人の眼光が鋭かったからだ。
「あーきーぐーも……なんか盛ってない?」
「えー……秋雲何一つとして盛ってないってー」
「いや、それにしたって……なんか、物騒じゃない、それ」
「提督が、なんかそんな感じの手毬歌が好きだってこの前言ってたんだってー」
詰め寄る二人に、頬を膨らませる一人である。
さて。
このうち二人は、鎮守府にあって相性が悪い組み合わせだと聞いて誰が信じるだろうか。
恐らく、誰も信じはしないだろう。
「秋雲嘘ついてないってばー……なにさなにさもー……何か微妙にテンション下がるわ……漣、秋雲の肩揉んで?」
「調子に乗ると、ぶっとばしますよ?」
「あんたらほんと……仲良いわよね」
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