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うそれもまた、男のちっぽけなプライドであった。
そして、鳳翔は提督の頭を撫でながら耳かきを続け、雷は提督の体をマッサージし始めた。
おまけに、オスカーが雷を真似始め、提督の頬を前足で揉み始めた。
提督に出来ることなどもう何もなかった。ありはしなかった。
いや、一つだけあるとすれば。
「あー……駄目になるんじゃー」
そんな事を呟く事だけであった。
これが、最近編纂され、それなりの艦娘達の間で読まれるようになった阿賀野の提督日誌の一部である。
さて、どうでも良い話だろうが、この軽巡洋艦娘阿賀野が最近編纂し、阿賀野語の権威である瑞鳳によって翻訳化された提督日誌の中には、更に提督を駄目にした出来事が記されていた。
ある日提督が食堂のカウンター席の角で小指を打ち、悶絶した姿を鳳翔、間宮、夕雲、古鷹、雷、瑞穂といった艦娘達に目撃され、そのまま布団に運ばれて寝かしつけられてしまい、雷などから提督の急な休みの理由を聞いたある者は艦娘用の高速修復材――通称バケツを持って来たとまで書かれていた。
勿論、提督はただの人間であるからバケツが効くわけも無く、もっといえばバケツを必要とするような怪我ではなく、むしろ怪我ですらないのだが、この日一日だけは普段平和な鎮守府も慌しい物であった。
まるで昔の、鉄底海峡のルンバ沖から先の様でした。
とは秘書艦初霜の言である。
本当にこの鎮守府は……まぁ、平和である。
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