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軌道ともいえる面子を軌道修正してなんとかギリギリ艦娘かな? というところに着地させる事に今のところ成功している。
酒匂や矢矧にしても、そんな能代を助けて寮内の空気が緩みきる事をなんとか押さえ込んできた。
特に矢矧の記憶の中で、収拾に梃子摺った軽巡寮で起きたワースト3と言えば、川内対阿武隈。神通対阿武隈。大井対阿武隈である。
川内と阿武隈の長年の宿縁に終止符を打たんとした玉子焼き対決では、謎の大淀型三番艦瑞淀という艦娘の登場によって有耶無耶になったり、神通と阿武隈の提督護衛権をかけたクギ打ち対決では、謎の夕張型二番艦瑞張が蕎麦をすすりながら二人の釘を全部倒して有耶無耶になったり、大井対阿武隈では、寝ている提督を膝枕したあと安心しきった提督の寝顔を見て何やら感極まって布団に忍び込まんとする大井を阿武隈が阻止している間に、謎の天龍型三番艦瑞龍と謎の祥鳳型三番艦阿賀鳳が入ってきて二人の脳天を叩いて執務室から放り出し、夜の遅くに提督の眠りを妨げるとは何事か、と静かに説教して終わった。
最後のそれは軽巡寮の事ではないが、軽巡寮に住まう艦娘の起こした事であるから、矢矧の中ではこの寮での一つの事件として記憶されている。
そしてこれは、全て阿賀野に関係ない事である。
あるのだが、どこの誰かはしらない謎の瑞なんとかはともかく、面影がそっくりな瑞鳳という軽空母は阿賀野と懇意にしている艦娘である。
そう、阿賀野なのだ。
長良に後任を任されたのは、能代ではなく矢矧でもない。
イマイチ良く分からない、現在矢矧の前で自筆の提督日誌なる物の総集編を編纂している阿賀野姉妹の長女、阿賀野である。
能代には世話されっ放し、矢矧には小言言われっ放し、酒匂とはぴゃー言いっ放しというちょっとだらしないお姉さんであるのだが、何故か大淀や初霜、長門とさらには提督にまで信頼された摩訶不思議な艦娘である。
能代は飽く迄補佐だ。
長門、初霜の決定で、後に提督もこれに賛成し否とはしなかった。
しかも阿賀野着任から約半年後、艤装を手に入れて軽巡寮に入ってきた大淀も、阿賀野が寮監である事にまったく異を唱えなかったのだ。
この個性派揃いの軽巡達の日常におけるまとめ役など、大任である。
矢矧からすれば姉であるのだから高い評価は嬉しくも思うが、自身には姉の何かが見えていないのかもしれないと不安にもなるのだ。
群盲象を評す、というが、自身もまた姉のお腹だけを触って、そのちょっとぷにっとしたところだけで姉を見てはいないか、と矢矧は思うのである。まして矢矧は群ではなく個だ。
象牙を触って、象とは硬く冷たい物ですね、と言っているだけで意見の交換ができていない。
さて、自身は何が見えていないのだ、と矢矧はじっ
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