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っと見つめた後、大きく息を吐いた。
そして、倉庫へと繋がる扉を見て、肩を落とした。明石が見た扉の向こう、倉庫には表には出せない在庫などが置かれている。それは常の事で、状況や季節に応じて出す物、仕舞う物を選んでいるだけだ。この平行世界に来る前から、提督にアイテム屋さんと呼ばれていた彼女の酒保での仕事は変わっていない。
それでも、変わりつつある物がある。
明石は模型の置かれた棚を見て、頬杖をついた。店主としては人に見せられないようなだらしない姿だ。そんなだらしない姿で思うのは、倉庫の奥に置いてある、とある模型の事であった。
明石は、先ほど提督が口にした言葉を思い出した。
『初雪を貰おうか』
たったそれだけだ。それだけなのに、明石はカウンターに突っ伏してじたばたともがき始めた。倉庫の奥にある模型――とある工作艦が酒保に並ぶのは、もう少し時間が掛かることなのだろう……きっと。
ちなみに、扉を開けて酒保に入ろうとした大淀が、中を見た後そっと扉を閉じて出ていった事を明石が知るのは、もう少し後の事である。
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