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はて迷外伝 最強の剣と最強の盾3rd
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寄せるための策だ。この街では冒険者はレベル2になってからやっと評価される範囲に足を踏み入れるため、それだけでも話題性はある。更にそれが二人同時、しかも数十年ぶりに復活したファミリアから出たとなれば宣伝効果は更に大きくなる。

 無名の冒険者二人の所属するしょぼくれファミリアと大型新人二人の在籍する成長株ファミリアなら、人は後者の方に入りたいと考える筈。つまりスカウトがしやすくなる訳だ。これを機にファミリア参加者を大々的に募る気はないが、アーサーが眼をつけた冒険者をスカウトしやすくなるのは大きい。

 そして、その目的を達成するのに最も重要なのは、『速やかにダンジョンに慣れる事』だ。無謀に突き進んで死の確率を上げながらレベルアップを目指すのではなく、頼る時は人に頼って効率的な戦い方をする。これは俺とアーサーの間で話し合って決定したことだ。

「そうだな……これ以上下の階層に行くとなると誰かのナビゲートが欲しい所だな。最低でも18層までの構造を把握しているベテランが望ましい……少々確実性には欠けるが、ギルドの依頼(クエスト)として教官替わりを探すが吉か」

 今回の場合、よりダンジョンの深い階層に潜りつつリスクを減らす方法――すなわち18層辺りまでの冒険経験がある冒険者のサポートを受けて経験値稼ぎにいそしむのが最適解だ。
 しかし、アーサーはそれに素直に首を縦には振らない。

「………うーん」
「どうした?」

 顎に手を当てた考え込むアーサー。こういう時は、彼女はいつも良からぬことを考えている。嫌な予感はするが、俺はあくまで彼女に仕える身。決定するのは彼女の役割だ。
 暫く考え込んだ後、彼女はニッと笑った。

「予定を前倒して先にスカウトを開始しよっか!こうなったら街を回りながらナビゲーターと未来の部下を纏めて発掘するわよ!!」

 案の定、本人だけ自信満々なパターンだった。二兎を追う者は一兎をも得ずの展開が目に見えて浮かぶ。

「………無駄足になる可能性も高いだろう。大人しくギルドに任せて俺達はダンジョンに10層以下に慣れる事に徹した方が結果的に確実性があるのではないか?」
「それなんだけど……どっちにしろ自分の眼で見て信用できると判断した奴じゃないと依頼する気になれないし、ギルドより個人依頼の方がその場で話がついて早いと思うのよ。しかも!その間を縫って新人発掘まで出来るのよ!?――お得じゃない!!」

 ――彼女はお得という言葉に目がない。本当にお得かどうかはさて置いて。

 満面の笑みを湛えるアーサーに、俺は目尻を押さえてため息をついた。
 やっぱりこの女は器が大きいのではなく、器の底に巨大な穴が開いているだけなのではないか。

「待ってなさいよ、未来の部下たち!この未来の剣王アーサー様が直々に声
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