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を送る響と朧もいつも通りだ。
「そ、それにしても、龍驤?」
「うん、なんや大和?」
少し顔を引きつらせつつも問う大和に、龍驤は長門に向けていた顔とはまた違う顔で応じた。長門にとって大和が妹同然であるように、龍驤にとっても大和は――いや、この鎮守府にいる艦娘の殆どが妹分だ。自然、その顔は温和な物になる。
「その、どうして駆逐艦の訓練に混じっているのかしら?」
「あぁ、たまーにやけど、体がなまらへんように、って事やね」
「ほう、では瑞鳳と大鳳もか?」
「うん、大鳳は元々体動かすの好きで、よう二水戦の訓練とかにも混じってるし、瑞鳳も瑞鳳で、あれで人の面倒見るのすきやからねぇ。面倒見るにも、まぁ体力いるわなぁ、って」
龍驤の言葉に、長門と大和は頷いた。艦種は違えど体は同じだ。特に龍驤達は体つきが幼く、戦闘に向いた姿形ではない。
「それに、体動かすのに駆逐も空母もないやろ? 何事も体が資本やで、資本。まぁ、出来る事は限られてるんやけどね……」
しかし、それでも同じような駆逐艦達は前線で戦っているのである。龍驤からすれば、そこに学ぶべき事が在ったのだろう。
鳳翔と共に鎮守府を裏から纏めていると見られている龍驤であるから、そう考えれば行動も早かったという訳だ。完璧な存在を嫌うのが心を持つ人と艦娘の性であるなら、完璧に近づこうとする不完全な存在を尊いと思うのも性だ。
「赤城達も誘ったのか?」
「いんや。赤城達は航空理論とかその辺の勉強会や。それに、あいつらは体ができあがっとる」
駆逐艦や軽巡洋艦の様な少女の体を持った艦娘達は、未成熟な体に応じた伸び代を持つが、大人の体で生まれた艦娘達は、その身体能力の伸びも緩やかであり頭打ちも早い。完成された体ゆえに、彼女達は様々な理論を蓄えて効率よく艤装を使わなければならないのだ。
故に、彼女達の訓練は身体能力が鈍らない程度の運動、になるのである。
「それになぁ、長門」
「うん、なんだ?」
龍驤は、大和には向けた事が無い不遜な笑みで続けた。
親しい友人、謂わば同期故の上も下も無い近さが龍驤にその相を出させ、長門もまたそれを許したのだろう。
「赤城達にこんな訓練させてみい、あいつらただでさえ普段からよー食べるのに、もっと胃に放り込みよるで?」
「……まぁ、それに関しては、私もなんとも言えないところだが」
「あの、それだと大和はもっと凄い事になるんですがそれは」
大和の言葉に、長門と龍驤は大和に目を向けた。
そのまま、二人は納得と手を打って頷いた。納得いかぬのは大和である。
「確かに。大和は凄いからなぁ」
「赤城より食べるもんなぁー」
「やめてください、その朗らかに言うのはやめて下さい」
「でも、大和は
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