【第1部】
【第1章】幼子世界を超える。
自己紹介します。
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
エルヴィンはスヤスヤとリヴァイの腕の中で眠る幼子から視線を外すと、リヴァイに問いかけました。
「何故捨て子だと思うんだい?迷子かもしれないだろう?」
「チッ。胸糞悪い手紙があったからだ。・・・こいつだ。」
リヴァイは手紙を取り出すと、机の上へ手紙を投げます。
無言でそれを手に取ったエルヴィンは、封筒の中から手紙を取り出し読みました。
「この子をよろしく・・・か。この塀の中では子供は宝だ。孤児が存在する場所など地下街しか・・・。そんな子供の運命なんて売り飛ばされるか、女なら・・・。否、やめておこう。リヴァイ。そう睨むなよ。」
「そんなこと、俺が一番知ってんだよ。・・・この目で見てきたんだからな。」
「・・・ああ。そうだったね。すまない。」
エルヴィンはチラリと手紙に視線を送ると、引っかかっていたことを口にします。
この世界には珍しい文字、そして今はもう希少とも言えるその髪色、エルヴィンは辿り着いた可能性がほぼ間違いないものだと確信していました。
「この手紙の文字。東洋人が使っていたものだろう。私やリヴァイは読むことが出来たが・・・。これは処分した方がこの子のためにもなるだろう。髪色は黒いが、瞳の色はどうなんだい?」
「・・・黒だ。」
「・・・そうか。リヴァイ。ゆずだったね。その子をどうするつもりなんだい?」
「分からねぇ。・・・だから連れてきた。俺はどうすればいい?」
エルヴィンに絶対的な忠誠を誓っているリヴァイにとって、エルヴィンの決めた決断がすべてなのです。
自分がどうこう思おうが、どうしたいと思おうが、エルヴィンが否と言えば否なのだ。
エルヴィンは自分に忠実な部下であるリヴァイを見据えると、ふぅ・・・と小さくため息をつきました。
「そうだね。それでは言い方を変えよう。リヴァイ。君はその子をどうしたい?」
「・・・・・・俺は。」
リヴァイが何かを言おうと口を開いたところで、腕の中で眠っていた幼子が身じろぎし、なんとも気の抜けた声が聞こえます。
「んにぃ・・・。ぅー・・・?」
「起こしてしまったね。おはよう。ゆず。」
エルヴィンは優しげに目元を緩めて話しかけると、ゆずは聞き慣れない声にぴくんと小さな頭を起こして、リヴァイの腕の中でキョロキョロと頭を動かします。
リヴァイは静かな声で、ゆずにエルヴィンが見えるように少し体を捻ると、『あっちだ』と小さく言いました。
「っ!?おいたん、だぁれ?」
「・・・・・お、おいたん。私はエルヴィン。どうかエルヴィンと呼んで欲しい。」
「俺はリヴァイだ・・・。」
「えりゅ、いんっ。りあいっ。」
なんともたどたどしい言葉に、まともに名前を呼んでくれないだろうと判断したエルヴィンは、仕方な
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ