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が初めてである。
――さて、いつもの金剛姉様に戻って頂くには、どうするべきか。
そう考えて、霧島は腕を組んで思考の海へと潜っていった。潜行は速やかに、そして答えは明快に。艦隊の頭脳霧島は理想どおり速やかに、そして明快な答えを導き出した。
「金剛姉様、深海棲艦100匹くらい刈りましょう」
「き、霧島さん?」
金剛は何を言ってるんだこいつは、といった相で霧島の言に首をかしげ、間宮はそういう問題じゃないと思いっきり書いた顔で霧島の目を凝視していた。
霧島は顎に手をあて、むむむ、と唸ったあと晴れ晴れとした顔でぽんと手を打った。
「金剛姉様、姫級20匹くらい刈りましょう」
「霧島さん!?」
珍しい間宮の狼狽した叫び声である。例えば第三次ソロモン海戦でやらかした眼鏡をかけた自称頭脳派の高速戦艦四女辺りならそれで気も晴れるかもしれないが、金剛はそうではないと間宮は霧島に伝えようとした。
「それもいいけど、今はそんな気分じゃないネー」
それもいいらしい。間宮は肩を落として流し台にある食器を疲れた顔で洗い始めた。このままでは自分も大破する羽目になるのではないか、と考え始めた間宮の目に、新しい客の姿が見えた。
「間宮さん、俺いつものなー」
「間宮さん、俺もだ」
「はい、分かりました」
気分を切り替えて常連二人の、いつもの、を作り出した間宮にとって、その二人は救いの神となった。二人はそのままカウンター席、金剛の隣に座ったのだ。
どこか重い空気を感じられなかった訳ではないだろう。この二人は鈍いわけではない。むしろ聡いほうだ。となれば、今の金剛の隣に座ったのは意図した物である。
「どうしたんだよ、金剛。なんか暗いぜ?」
「そうだな、お前らしくないぞ」
金剛の隣に座ったのは、この鎮守府のおっぱいのついた眼帯イケメンコンビ、天龍と木曾であった。金剛は話しかけてきた二人に視線を移し、愚痴を零し始めた。
ちなみに、この鎮守府のおっぱいがついたイケメンは他にも加古や那智がいる。ついでにおっぱいのない性格イケメンが龍驤であり、おっぱいもついてないイケメンでもないのが提督である。
妹に言えないことでも、この二人には言いやすいのか。金剛は胸のうちを訥々と語った。
いきなりやらかした事、それでも提督は自身に怒っていない事、それに甘えてしまっていいのかという悩み、最近やたらと野菜が高いという現状、この前鍋をやったら最後に入れたご飯がこびりついて取れなくなったが鳳翔の知恵で助けられた事、最近提督の隠し撮りが上手くいかない事、最近榛名が提督抱き枕を作ったから自分も作ろうかと考えている事、それらをだ。
聞き終えた天龍と木曽は半分聞き流した。聞き留めていい物ではないから
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