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かけた。この娘中々に肝が太い様である。
「近海警備、今日はうちと一水戦の合同なんだけど、どっちからも病欠出ちゃって……」
「あぁー……最近寒かったり暑かったりだからねー。那珂ちゃんたちも気をつけないとねー」
「そうよねぇ、じゃなくて。人が足りないのっ。あんたのとこから誰か出られない?」
「ほっほー……川内ちゃんからのあつーいオファーだよ、野分」
「熱くないわよ」
「はい」
「はいじゃないが」
二人の会話を聞いていた野分は、軽く川内を流しつつ既に海上に出る心の準備を終えていた。四水戦の任務上、艤装も常に整備している。あとは海上を駆るだけだ。
「川内ちゃん」
「なに?」
「川内ちゃんのこってりしたオファーに応えて那珂ちゃんも行くけど、いい?」
「こってりじゃないが」
野分だけでなく、那珂も出るようだ。野分は那珂を見上げた。野分は兵士の相で那珂に挑んだが、那珂はやはり常のままの笑顔だ。何故か九州の方言で返す川内は二人ともスルーである。
「よぉーし! 第四水雷戦隊、那珂ちゃんとノワッチ、でまーす!」
「野分です」
勢い良く、それこそ川内まで置いて走り出した那珂の背を見ながら、野分は小さな笑みを零した。
――もうちょっと、頑張ってみよう。
そんな事を考えながら。
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