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艦娘である。
ちなみに二番目と言えば、潮の隣に立って肩で息をしている曙である。朧と漣はマイペースであるが、それは自身のペースを崩さず周囲を見ているという事でもある。護衛としては多面的な視覚を有することは美点である。提督第一の潮と曙、周囲に目を配る朧と漣。実に均衡の取れた駆逐隊である。
ただし、
「らんらんは豚だから難しい水雷戦隊の事とかはわからないよ」
「また漣が訳わかんないこと言ってる……」
妹の奇妙な言動に頭を抱える曙と、そんな姉達を苦笑いで見つめる潮、そしてぼーっと眺める朧は、長良のような少女には少々難しい相手でもある。特に特U型の五女、漣は長良からすれば未知の生物にも似ていた。
「漣も偶には海でゆんやーさせたいー」
「今度、大淀さんや長良さんに相談してみる?」
「どっちかって言うと、初霜に話通してもらったほうが良いんじゃない?」
「ゆんやーって何?」
上から、漣、潮、曙、朧である。
この奇矯な言動を見せる艦娘、漣は人類と最初に接触した五人の艦娘の一人の同艦同族である。別の漣とはいえ、なかなかに重要な立ち位置にいる筈の存在なのだが、個性的過ぎて交友範囲が狭いのもまた事実であった。特にこの鎮守府の漣はそれが顕著である。
提督と似たような趣味をもつわりには、それほど提督との相性は高くない。何せこの漣と言う艦娘、テンションが高いのである。おまけにインドア派の様に見えて実はアウトドア派だ。様々なことに首を突っ込み、気付けば動き回っているタイプである。
「ゆんやーはゆんやーじゃない?」
「いや、そんな平然と返されても困る」
朧は妹の返事に常の通り返しているが、良く見ると相に若干の疲労が見えていた。曙と潮は、そんな二人を眺めながらまた違った会話を交わしていた。
「そういえば、この前凄かったよね……」
「……あぁ、この前のあの謎の会話ね」
「……」
潮と曙の話に、長良は頬を引きつらせた。その場に長良もいたからだ。
さて、何があったかと言えば簡単だ。提督が訓練を見に来ただけの話だ。ただ、その後が簡単で意味不明であった。長良達にとっては。
提督が、秋雲、漣、初雪、望月と会話を始めたのである。ただの会話である筈だ。ある筈だが、長良達にはその会話がさっぱりであった。
恐らく日本語であろうが、独特のスラングを用いて交わされた提督達の会話はあまりに意味不明であったのだ。
「私も、勉強したほうがいいのかな……」
「やめて」
どこか意を決した潮の言葉に、曙の必死の止めが入った。長良も当然曙と同意見である。彼女は大きく頷いて潮の決意を挫こうとしていた。だが、そんな二人を見ても潮は曲げぬようで、硬い相で口を開いた。
「で、でも、覚えたら提督とももっとお話で
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