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いる瑞穂等がそうだ。
となれば、何か材料の不足や、或いは相談があって誰かが来たのだろうと二人は思った。
さて、では誰が来たのだろうと階段へ目を向けていた二人は、足音の主達を見て、口元に手を当てた。開いた口を見られないようにするためだ。
「あぁ、瑞穂さんに聞いたらここに居るって聞いたもんで、ちょっとお邪魔してますよ?」
鳳翔と間宮の視線の先にいたのは、彼女達と同じコートを羽織った提督と初霜であった。少々サイズのあっていない初霜はともかく、この中で一番コートが似合っていないのが提督である。
提督はコートを気にするように歩き二人に近づいていった。彼自身、コートに着られていると分かっているのだろう。
「あの、提督……?」
間宮は提督の顔を見つめ口を開いた。だが、そこから続く言葉は彼女から出てこない。提督は黙って頷き二人に頭を下げた。
「申し訳ない」
「て、提督……!?」
「な、何をなさって!」
普段穏やかな、調子を乱すことも少ない間宮と鳳翔が小さく叫んだ。彼女達の前で鎮守府の主、提督が頭を下げたのだから当然ではあるが、彼女達からすれば、何故提督が頭を下げる必要があるのかまったく分からない。むしろ、間宮等は提督がここに来た理由を鑑みれば自身こそが頭を下げる立場だと理解していたのだから、混乱は特に強かった。
「僕が不甲斐ない提督だものだから、鎮守府の現状を理解していなかった。君達に負担をかけて、申し訳ない」
「提督……」
未だ頭を上げない提督を見つめて、混乱したままの間宮は提督の三歩後ろに佇む初霜を見た。勿論、助けを求めてだ。だが、初霜は黙って立っているだけだ。今の彼女は秘書艦初霜ではなく、一水戦、提督の小さな盾としての初霜として存在するのだろう。初霜はただ静かに在るだけだ。
間宮は困った顔で隣の鳳翔へ目を向けた。間宮より冷静であった鳳翔は、間宮の視線に頷いて返した。
「提督、お顔をあげて下さいまし。相談したのは我々で、それを聞き届けて下さったのは提督です。そんな貴方に頭を下げられては、私達も胸が苦しいではありませんか」
鳳翔の懇願するような、どこか諭すような言葉に提督は頭を上げた。そのまま、彼は初霜から件の書類を受け取り何事も無かったかのように続けた。
「話は、この書類で理解しています。で、それが問題の?」
「はい……」
間宮は僅かに身を横にずらし、提督の視線がそれへと届くようにした。提督、いや、地下室にいる四人の瞳がそれに吸い込まれる。
そこには大量の秋刀魚があった。
「よし、どうにかしよう」
「ありがとうございます、本当にありがとうございます提督!」
提督のはっきりとした言葉に、間宮は目じりに溜まっていた涙をぽろぽろと
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