第二十話 二学期その五
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「そういうことだってね」
「十代でお母さんかあ」
「どうなのかしらね」
「どうなのかしらってそういえば私達だって」
「今年で十六歳」
何かこのことを最近凄く意識します。
「しぶガキ隊の歌ね」
「古っ」
一人の言葉の突っ込みにもう一人が突っ込み返します。
「いつの時代のジャニーズよ」
「ジグザグラブレターなんて今更誰も知らないんじゃないの?」
「それも凄く古いわね。っていうか」
「私達の産まれる前じゃない」
リアルでしぶガキ隊を見たことはないです。小さい頃に光GENJIを見た記憶があります。それにしても物凄いグループ名だと思います。
「よく知ってるわねそんな歌」
「幾ら何でも少年隊でしょ」
「少年隊はまだ現役だし」
そういえばジャニーズの話も久し振りです。寮にいるとどうしても世間とのズレが出てきます。このことはどうhしても避けられないみたいです。
「最近ジャニーズもねえ」
「テレビ自体が」
その話になります。
「観ないからね」
「家じゃそればっかりだったわよね」
「そうそう、あとゲームと」
これも外せません。
「とにかく娯楽少ないからね」
「まさに陸の孤島」
おぢばは寮にいるとまさにそうです。
「何もないっていうか」
「見事なまでに隔絶したものがあるわよね」
「どうしたわけかね」
そうなんです。おぢばの寮にいると本当に。何か孤島にいるみたいな気持ちになる時があります。こんなので大丈夫かしらって思える位に。
「それでどうして野球のことはわかるのかしらね」
「不思議って言えば不思議よね」
「特に阪神のことはね」
「そうなのよね」
すぐにわかるんです。しかもその日のうちに。
「特に負けた時ね」
「すぐわかるわよね」
阪神の凄いところは負けた試合こそ真っ先に伝わることです。もう負けたその瞬間に光よりも速く。寮にいてもそうですから不思議で仕方ありません。
「勝った試合こそ伝わって欲しいのに」
「日本シリーズの時なんか凄かったらしいわよ」
あの十八年ぶりの優勝です。今世紀はないとまで言われていたあの。
「そんなに?」
「もうあっという間にダイエーの日本一が伝わったんだって」
やっぱりこれでした。
「城島のガッツポーズと一緒にね」
「全然よくないわね」
「聞きたくもないわよ」
皆で言います。多分翌日は大変だったと思います。
「まあ今年はね。もう優勝はないでしょうけれど」
「残念なことにね」
そういえばその優勝はほんの去年のことです。それでも大昔に思えます。
「来年かあ」
「来年は私達二年ね」
「二年・・・・・・」
言われてみても実感が沸きません。
「何か凄い彼方みたい」
「そうよね、本当に」
「実感がないわ」
これは皆同じで
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