第二十話 二学期その四
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「わかったわね」
「わかったようなわからないような」
どうにもこうにも。首を傾げてしまいました。
「あれ?キャッチャーみたいなもの?」
「野球とかソフトボールのね」
キャッチャーが女房役って言われるのは知っていますけれど。それでも何かわかりません。釈然としないって言うかも知れません。
「あんな感じよ」
「そうなの」
「ちっちってお姉さん気質だからね」
「そういうの上手そうよね」
「男の人がピッチャーでそれをリードするの?」
こうも考えます。
「女の人って」
「夫婦揃ってよ」
またこの言葉が出ます。
「それもいいわね」
「何か大変そう」
「あっ、それはわかるわ」
言った本人から言われました。
「お母さん見てるとね」
「それはね」
教会では女の人が何かと動く場合が多いです。うちでもお母さんはかなり動いていますけれどお父さんはあんまり、っていうような気が。天理教はとにかく女の人が重要です。そのわりにこの高校は女の子少ないんですけれど。それが不思議っていえば不思議だと思います。
「女はおみちの土台だからね」
「土台が一番大事よ」
ケーキでもスポンジが一番重要ですし。それを考えたら。
「そのうえで男の人を立てる」
「支えてリードしてね」
何か増えています。
「それがおみちでの女の人の役割よ」
「お母さんに言われてるみたい」
「当然よ」
ここで当然とまで言われました。
「だって私これお母さんに言われたんだし」
「そうだったの」
「そうよ。お母さんに教えてもらったのよ」
「何だ、そうだったの」
「何かって思ったら」
皆で彼女に対して言いました。私だけじゃなくて。
「そうだったの」
「そうよ。私のオリジナルだと思ったの?」
「まあオリジナルだったら凄いけれどね」
「凄いっていうか有り得ないレベル」
幾ら何でも高校一年生でそれはないです。昔は高校生って言えば夢みたいな憧れの存在だったんですけれど。いざなってみると頼りないです。
「そこまではね」
「けれどねえ。昔は」
ここでまたおみちの話が出ます。
「教祖だって十四歳で嫁がれてるし」
「昔はそれが普通だったのよ」
「そうなのよね。つまり」
ここで少し考えただけで衝撃の事実が明らかになります。こう書くと何かの探検隊みたいなお話ですけれどかなり違います。
「私達だってお母さんになっていたかも知れないというわけで」
「って、キスだってまだなのに」
「私もよ、そんなの」
皆結構奥手です。私もキスなんてしたことないですけれど。
「有り得ないわよ」
「そうよね」
「しかもこれってあれじゃない?私達は引くけれど」
「男の子はね」
男の子達にとっては。いいお話かもです。
「十代でね。そんな相手い
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