第七幕その六
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「穏やかな旅になることもあるのよ」
「今みたいに」
「そうよ、じゃあいいわね」
「はい、オオエさんのところに行きましょう」
「皆でね」
「ではデザートはね」
船長さんは皆が普通のお料理を全部食べたところで言いました。
「ライチや色々な果物だけれど」
「はい、その果物もですね」
「食べようね」
「わかりました」
神宝は船長さんにも応えました、そしてでした。
皆でライチや色々な果物も楽しみました。船長さんはビリーナに皮を剥いたライチを差し出して尋ねました。
「どうかな」
「いえ、それはいいわ」
「ライチは嫌いかな」
「私に少し大き過ぎるわ」
だからいいというのです。
「葡萄を一粒貰うわ」
「そう、それじゃあね」
「ライチはいい匂いだけれど」
それでもというのです。
「丸呑み出来ないしついばむにしても」
「難しいんだね」
「繊維が種に添って沢山あるわね」
「うん、実はそうなっているね」
「それで鶏が食べるのに向いていないの」
「じゃあ一条どうかな」
船長さんは手でライチの実を縦に取ってです、そのうちの一条を実際に手で切り取ってからビリーナに差し出しました。
そのうえで、です。ビリーナにあらためて尋ねました。
「これをね」
「あら、私の為に」
「うん、どうかな」
「有り難う、じゃあ頂くわ」
「それじゃあね」
「ライチは確かに美味しいのよ」
ビリーナも否定しないことです。
「皮の中の白い実は嘘みたいな味がするわ」
「それだけ美味しいってことだね」
神宝がビリーナに応えます。
「ライチが」
「ええ、私にとっては食べにくいけれどね」
「美味しいことは美味しいね」
「そう思うわ、私もね」
「じゃあその一条を食べて」
「それから葡萄を食べるわ」
あらためてというのです。
「そうするわ」
「そういうことでね」
神宝もライチを食べます、勿論ベッツイも。皆でデザートも楽しんで、でした。そうして皆はまた出発しました。
煉瓦の道を離れて普通の野原の中の舗装されていない道を進みながらです、船長さんは皆にこうしたことを言いました。
「石には気をつけないとね」
「船長さんは特にね」
「足がこうだからね」
ベッツイに笑みを浮かべてです、その義足を指差すのでした。
「だからね」
「そうよね」
「まあこの国では普通に歩けるけれど」
「それでもね」
「義足に石は普通の足より辛いよ」
「バランスが取りにくいからですね」
「うん、そうなんだ」
神宝にも答えるのでした。
「だからいつもこうした道の時は気をつけているんだ」
「そうなんですね」
「こうして杖も使ってね」
実際に杖も使っている船長さんでした。その杖も使ってバランスを取りながら皆と一緒に
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