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選んだのが前述した艦娘達であった。そこに、長門と大淀の在り方が良く見える。長門は第一嫁艦が少しばかりジャンル:ホラー寄りであるため、癒し要素を第二嫁艦に求めた。自身を推さずに、泰然自若と構えて、だ。例え自身も嫁艦になりたいと思っていても、長門はそれを見せず、感じさせない。これが鎮守府のまとめ役の二番手である金剛であると、血涙を流しながら長門と同じ人選をしただろう。そこがこの二人の明確な違いであった。
ちなみに、金剛は現在大和と比叡と榛名と霧島と陸奥と扶桑と伊勢と日向とイタリアとローマとグワットにおさえつけられている。この会議室に戦艦娘が長門と山城以外いないのは、これが原因であった。
さて、片や大淀であるが。これは彼女の情動が理性よりであることを示している。流石に感情を全て殺して、とまでは行かないが今後の事も考えて発言しているのだろう。提督はこの世界の人間として生きていくと決めたのだから、そのために必要なのは家庭である。ならばその環境の為と前例をもつ二人を推したのだ。
「私達としても、強化できる上に繋がりも今以上に持てるってのはいいけどさー」
「でも那珂ちゃんはちょーっと反対かなー」
川内、その妹である那珂が口を開き、神通が比較的穏やかな相で頷いた。長門はその三人に目を向け、続けろ、と目で促す。川内がそれに首を縦に動かして応じた。
「急ぐ事は無いと思うんだよ、人の一生は夜戦じゃないんだ。ぱっと輝いて一瞬で水底へ沈む物じゃない。私は、提督にはもっと穏やかに、ゆっくり在って欲しいね」
「そうだよ、それそれ。急いで売れたアイドルは、一発で消えちゃうからねー。那珂ちゃんとしては、提督にはそんな風になってほしくないなー」
「そうそう、那珂の言うとおり、慌ててやる事はないと思うのよ。十年二十年見て行けばいいって。たとえ今が戦争の時代でも、私達がしっかりと守れば時間的余裕だって生まれるだろうし」
発言する二人と、それに頷く二人。川内と那珂の意見に、神通は勿論のこと、阿武隈まで賛成している様であった。長門は彼女達から目を離し、周囲をぐるりと見渡した。
水雷戦隊は、全員その意見に賛成の様であり、古鷹や鳳翔等も賛成の意がその相から見てとれる。他の者達は殆どがどうしたものかと思案顔であり、山城はやはり俯いたままで、加賀は常の相で佇むだけだ。
その加賀に、何かあるのではないか、と長門は感じ声をかけた。
「加賀、何か意見は?」
「そうね……」
加賀は小さく頷いて席から腰を上げた。
「私は赤城さんと同じね。まず提督にしっかりと説明すべきだと思うわ……その上で、あの人が選んだ事に沿えばいいんじゃなくて?」
「……このまま、進むべきではないと?」
「あの人は、倒すべき相手でも、私達が戦術的行動、戦略
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