氷の神の実力
[4/7]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
間に挟まれている雷神衆の紅一点は不自然な点を感じたらしい。フリードはそれが何かわからずに質問をする。
「だってシリルにはあの目があるでしょう?この吹雪の中でも相手の動きは見通すことができるはず。それに、見えていればあの子は魔法を交わせることはさっきまでの戦いで証明されているんだから、攻撃を受けたってのはおかしくない?」
「確かにそうだが・・・」
あの悲鳴の上げ方は間違いなくやられた時の声だ、と続けるフリード。その会話を聞いていたメイビスも何かがおかしいと感じたらしく、真剣な表情でドムス・フラウに設置されている魔水晶ビジョンを見つめている。
「どう思いますかな?初代」
「この状況ではなんとも・・・ですが、レオンは魔法に力がある分、荒削りなところが多いです。シリルならそれを見極めることは可能だと思うのですが・・・」
明晰な頭脳をフル活用し、なぜシリルが攻撃を受けてしまったのか、考えてみる。だが、そう簡単に答えが出るようなら何も困りはしない。
「ラクサスたちも一体どうなっているのやら・・・」
「エルザもあの傷にこの吹雪じゃ痛みがさらに増してそうね」
シリルだけではなく、他のメンバーも気になっている妖精の尻尾の面々。激しくぶつかり合う音もほとんど聞き取ることが出来ず、試合の状況を読み取ることが出来ないことは彼らに大きなストレスを与えていた。
シリルside
「な・・・なんで・・・」
凍り始めている地面に仰向けになり、疲弊した体を少しでも回復させようと呼吸を繰り返す。
ただ、なぜ今のレオンの攻撃が当たったのか、俺には全く理解できずにいる。さっきまでの感覚なら避けていたはずなのに・・・
「氷神・・・・・」
微かではあるが、レオン声が聞こえてくる。聞こえた方を振り向くと、こちらに突進してきているレオンの姿が目に入る。
「永久凍土!!」
俺たちの鉄拳のような技・・・いや、威力はあっちの方があるか。とまぁ冷静に判断している訳にはいかないな。すぐに頭の中を切り替えて相手の動きを見切ってから回避行動に移る。これも問題ない。早い段階で気付くことが出来たから、ギリギリではあるが避けることは出来たから。そのはずなのに・・・
ザシュッ
レオンの氷の手刀が俺の頭を掠めていく。
「っ!!」
こめかみに猛烈な痛みを感じて、すぐにそこを押さえながらレオンと距離を取るために後ろにジャンプする。手を外して平の部分を見てみると、そこには血が付着していた。
「いってぇ・・・」
血が出ていると動いた時に目に入るかもしれない。そうなると俺の優位性を保つために必要な視覚が奪わ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 ~小説投稿サイト~
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ