氷の神の実力
[2/7]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
シリルside
「ゲホッ・・・ゴホゴホッ・・・」
レオンに殴り飛ばされた俺は地面に四つん這いになって咳き込んでしまう。魔力をそんなに纏っていた感じはなかったのに、それでもこれだけの力・・・レオンの奴は本当に怖い魔導士だな・・・
「というか・・・ここ・・・どこだ?」
さっきの攻撃で相当飛ばされてしまったらしく、目を使って吹雪の合間を縫って場所の把握をしようとするが、どこなのかさっぱりわからない。
「でも・・・飛ばされたのが今回はラッキーだったかも・・・」
パンチを受けた部分を擦りながらゆっくりと立ち上がる。
レオンの攻撃を受けた時、間違いなく俺の意識は飛んでいた。真っ白だったはずの景色が真っ黒になるのを感じたからだ。だけど、その直後にいくつもの建物を突き破ったことにより、その痛みで意識が戻ってきたのだから。
痛みで意識が戻るなんて、想像したことすらなかったけど、確かに今それが起きた。普通ならあのパンチで戦闘不能になってしまい、蛇姫の鱗にポイントが加算されるところだったんだけど、威力がありすぎて逆に飛んだ意識を呼び戻すことになってしまった。これは俺にとってはラッキーのような気がする。
「とは言ったものの・・・これはこれでまずい感じもするなぁ・・・」
辺りを見回しながらレオンのことを探してみる。だけど、この周辺にはいないのか、それとも姿を隠して機会を伺っているのか、彼がどこにいるのか把握することができない。
「油断しちゃダメだ。あっちは俺の場所を把握してると考えてた方がいいぞ」
そういい聞かせながら、周りに意識を向けて気配を探りつつ、目を使って敵の姿を探す。
「集中!!」
全ての五感・・・視覚と聴覚に全神経を持っていく。すると、正面からジャンプ一番飛んでくる人影を見つける。
それに気付いた俺は横に足をスライドさせて回避する。飛んできた人物は俺が元いた地面を思いきり殴りつけており、その衝撃で地面に大きな亀裂が入る。
「ちょっ・・・」
さっきジュラさんが剣咬の虎のオルガさんを地面に叩き付けているシーンを横目で見てたけど、あの時は亀裂もそこまでの範囲には広がってなかった。精々半径5メートル程度だったように記憶している。それでもすごい力なのに、レオンの一撃はそれよりも遥かに広い範囲に・・・それも、はっきりとわかるほどのヒビを入れているのだ。
「ありゃ?抜けなくなった」
俺がそれに驚愕していると、レオンが左手を右手で一生懸命に引っ張っているように見える。どうやら先程の攻撃で地面に拳が突き刺さってしまい、身動きが取れない様子。
「チャンス!!」
それを見ていた俺はこの好機を逃してはい
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ