氷の神の実力
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「何がどうなってるのか、さっぱりわからねぇな」
「これってあのレオンって奴の魔法ってことでいいんだよな?」
ドムス・フラウの応援席にいるマカオとワカバはシリルたちの戦いがどうなっているのかさっぱりわからず、そんな話をしていることしかできない。
「なぁ初代。一応聞くけど、これって計算できてたのか?」
「あ!!バカ!!」
真っ白な吹雪しか見えない魔水晶ビジョンを見て呆けているメイビスに、隣にいたロメオが質問をぶつけてみる。その後ろにいたマカオは彼の分かりきっていることに対する質問に慌てている様子だが。
「ちょ・・・ちょっとだけです!!ちょっとだけ予想してませんでしたが、シリルなら大丈夫だと思いますよ」
誰の目から見ても強がりを言っているようにしか見えない初代マスターの言葉。だがそれに対して何かを言えるものはいない。だって泣かれたら手がつけられないから。
「しかしこれだけの魔法・・・そんなに長時間続けられるとは思えん」
「そうだよなぁ。むしろ、魔力を使い切っちまってそのままやられる様が目に浮かぶぜ」
フリードとビッグスローはそう言う。彼らの言う通り、街全体に・・・それもフィオーレの首都クロッカスの街に激しい雪を降らせ、なおかつ横からの突風も仰がせなければならない。各ギルドが配置されている街でやるのとは訳が違う。魔力の消耗は計り知れないものと言えるだろう。
「普通に考えるとそうでしょう。ですが、映像を見た限りではその勢いは衰えているようには思えません。むしろ時間を追うごとに激しさを増しているように感じます」
冷静な口調でそう言うメイビス。他のメンバーからすると、元々映像が真っ白になってしまっていたため、どのくらい勢いを増しているのかは理解できていないが、勢いが衰えていないことだけはわかる。どれだけ目を凝らしても誰の姿も見えてこない圧倒的な吹雪。さらには風がひどいためにほとんど声も聞こえてこない。
時おり誰かが魔法を受けて悲痛な叫びを挙げることもあるが、すぐに風に消し去られてしまい、どの魔水晶ビジョンから聞こえてきたのか、また、誰がやられた声なのかすらも把握できる状況ではない。
「今は待つしかないでしょう。後どれだけの時間、この吹雪が吹き続けるかはわかりませんが、それが止まないことには何も出来ません」
「信じて待つしかない・・・ということでしょうな」
「そうです。それに、彼らなら大丈夫ですよ、六代目」
隣で腕組みをして眉間にシワを寄せているマカロフの方に笑顔を向けるメイビス。
「私たち妖精の尻尾の強い“絆”を持っています。それさえあれば、きっと彼らは期待に答えてくれるでしょう」
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