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大海原の魔女
五話 船出のとき
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の本は船の歴史について書かれているようだな。」


 それにしても、船舶用魔導エンジンか。まああまり使えなかったよう・・・


 
『ウィッチ』『水面歩行』『水の‘‘力”』
『海』 『洞窟遺跡の壁画』『ネウロイ』
『艦隊』『魔導エンジン』

 幾つもの単語と記憶が脳内を駆け巡る。
 そして、私は思いついたーーー

「・・・そうだ・・・」 「お、お姉さま?」
  「今すぐ開発しないと!!」


 ‘‘海戦”用ストライカーユニットを










 ───そして数年が過ぎた────



 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇



 1940年4月 バルト海を航行中の貨客船


 
 ・・・あの日からいろいろあった・・・・


 研究所の仲間の手を借りて 海戦用ユニットを開発したり…
 扶桑に行ったら扶桑海事変に巻き込まれたり…
 そのあとヨーロッパ各地を回ることになったり…
 そして、‘‘ある”ことをしたために スオムスに派遣させられた。
 

 ……4月下旬からはカールスラントでお仕事だ。



「お客さん、カールスラントに行くのは初めてで?」船員さんが尋ねてくる。
 
「いや、3年ぶり2度目ですね。ついでに言う、と・・・・」そのとき、周囲を哨戒させていた妖精さんから、報告がきた。
「どうしました?」

「…11時の方向、距離20000に中型ネウロイ発見、航空ウィッチが戦闘しているようです。」



 ◇ ◆ ◇


「なんでこんなところにネウロイが!? いやそもそもなんなんだアイツっ!」バルトランド空軍の航空ウィッチたちは、未知のネウロイと戦っていた。
 ビームによる薙ぎ払いを躱しながら、隊長のエルザ・セーデルストレム大尉が答える。
「アレが噂の‘‘水上”型 ってやつだろう!」




 1937年、二つの出来事が世界を驚愕させた。
 一つは‘‘海戦”用ストライカーユニットの実用化…
 もう一つが『ネウロイは海を渡れない』という定説を覆し、‘‘水上”型ネウロイが出現したことである。

 そして今、ソレは彼女たちに牙を剥いている。



 深海のサメを大きくしたような見た目のソイツへと、四方八方から銃弾が叩き込まれている。
 だがしかし…

「こんなに命中させているのに、何でコアが露出しないんですかっ!」
「『あの装甲』のせいだ、とにかく銃撃を途切らすな!」

 ネウロイは未だに健在であった。
 


 あのネウロイが水上で行動できるのはなぜか?それは、彼女が言う『あの装甲』のせいだと考えられている。
 人間が靴を履いて,鋭い石などから足を守るように、不気味な燐光を放
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