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大海原の魔女
五話 船出のとき
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,魔女も,怪異も、何処から 何の為に誕生して、やがてどうなっていくのだろうか?…この『眼』があっても結局わからなかった。 いや、自分自身のことすら未だによくわかっていない。
 

 ……でも、分からないからこそ良い人生だったのかもね。」
 








 ーーーその日の深夜に、お祖母様はヴァルハラへと旅立っていった。


 ◇ ◆ ◇


 ……葬式の日の晩、2歳頃の夢を見た。
 


 当時の『俺』は、前世の記憶に戸惑い、新しい両親に馴染めず、近所の子供の輪には入っていけなかった。

 お祖母様はそんな俺を、時には慰め、時には叱った。
 

 ある日、お祖母様は俺を抱えたまま箒に乗って、空高くに連れていった。

 ーーー上にはどこまでも広がる青い空、下には穏やかな農村風景と,そしてドーヴァー海峡!ーーー

 感動する俺に、こう言った。
「人間には産まれてきた意味があるんだ。それは、『産まれてきた意味』そのものを探すことさ!見つからなくてもいいから、飛び立って探してごらん。」



 ・・・だから『私』は『わたしにできること』をするのだ…『転生』した意味を探す為に。


 ◇ ◆ ◇


 ・・・・お祖母様は遺言書で、魔道具と蔵書を私が相続するように書いていた。


 今日は、私は お祖母様の部屋にどんなものがあるか調べている。

「…この本には変身薬などの作り方が載っている…この缶には貴重なハーブが入っている…と。」

「ん〜…なんだろう、これ?」 「デスクの上にあった物のリストはできました。引き出しの中も、きちんと調べておきますね。」 「ふむ、これはいいものですね。」

 妹たちにも手伝ってもらっている。 妖精さんはこういう仕事は苦手だからな。

「お姉さま、この箱 開けてみてもいいですかー?」「ああ…ってダメだ、それは盗難者撃退用の魔道具らしい。」 「…ひえ〜、危ないところでした!」 ちょっと危険な物もあったようだ。



「エレン姉さん、この本は何ですか?引き出しに入っていたのですが。」
「ええと、題名はラテン語のようだが 擦れていて読めないな…
 …『18世紀に、ブリタニアのジェイミー・ワットが魔力を機械で増幅する術を発見したが、船にその技術が利用されることはあまりなかった。ウィッチ数人の魔力を増幅しても、大型船を長距離動かすことは不可能だったからである。その為に通常動力の開発が進められていく。小型船では魔導機関が使用されていたが、やがて魔力無しでも動く通常動力の改良が進むと、船舶用魔導エンジンは廃れてしまった。やがて』」
「姉さん、本は後で読んでください。」クリスティに注意される。
「ああ悪い…それで、こ
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