エピソード2・グラウンドゼロズ
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『そうか、ご苦労だった。君達のおかげで危険も無いとわかったから、このままアースラをそっちまで寄越す。着いたら帰投してくれ』
「了解!」
『あと、なのは。この任務が終わったら休暇を取ってくれ、いい加減休まないと身体を壊すぞ』
「心配してくれてありがとう。でも私は全然大丈夫だよ!」
『大丈夫なものか。君がそこまで言うなら、艦長命令として休暇を出す事もやぶさかではないからな』
「そこまでしなくても、私ならこの通り元気だってば!」
「いや、クロノの言う通りにしてくれよ。何度も言ってるけどあたしもマジで心配なんだ、せめて一日だけでもいいから何もしないで休んでくれって」
「ヴィータちゃんまで……もう皆、心配性なんだから」
『心配になるのは、なのはが頑張り過ぎだからだ。全く君という奴は……ん? エイミィ、どうした?』
『気象レーダーで前方に積乱雲を確認、かなり強い吹雪が来るよ。あの規模じゃ通信も乱れて通じなくなるし、このままアースラを進めるのは危険だと私は判断するけど……どうする?』
『そうか……やむを得ない。アースラは近くの山脈に移動、吹雪をやり過ごす。……すまないがそういう訳だから、しばらくそこで待機していてくれ。積乱雲が通り過ぎたらすぐ迎えに行く』
「わかった。いっそかまくらでも作ろうかな?」
『こらこら。吹雪をやり過ごすだけなら、遺跡の小部屋で十分だろう……』
呆れ声のクロノになのはは苦笑し、アースラとの通信を切る。そして部隊の仲間に今の通信内容を連絡、吹雪に備えて各小部屋にそれぞれ2人ずつ分散させた。なのはもヴィータと二人で小部屋に入り、外の様子を伺いながら休憩する。しばらくすると瞬く間に外は気温が下がって風も強くなり、吹雪で景色が真っ白になっていった。
「すごく吹雪いてるなぁ……今外に出たらあっという間に埋もれてしまいそう」
「視界不良なんてレベルじゃねぇな、こりゃ。あのままアースラを動かしてたら、気付いた瞬間山とか地面に突っ込んでてもおかしくねぇ」
「そうなったら目も当てられないや、クロノ君とエイミィさんの判断は正しかったんだね。……ところでちょっと気になったんだけど、今寝たら危険なの? ほら、遭難して一夜を過ごしたりする話で寝たらダメという展開がよくあるけど、今の状況でもそれって適用されるのかなぁって」
「あれは体温低下による凍死とかの事を言ってる訳だから、それなりに暖かいこの状況なら大丈夫なんじゃねぇの? 目的は果たしたとはいえ任務中に寝るのはアレだけど……なのはなら少し休んでても文句は言わないし、言わせもしねぇよ」
「いやいや!? 今のは単なる疑問だから別に寝ないってば! そ、それよりヴィータちゃん、さっきから妙に鳥肌が立つんだけど……」
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