十四話:落ちた少女
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ん」
返事はないがしっかりと目を向ける彼女に幼い頃のはやてを思い出して鬱になりかけるがそこは気持ちを切り替えて笑顔を作り続ける。
そして、新聞の端を持ちちょうどいい速さで千切っていく。
「ビリビリビリビリー。ほーら、新聞がたくさん千切れたよ」
「……しんぶん……ちぎる」
「やってみるかい? はい、こうして持ってね。後は好きなように千切るだけだよ」
「すきなように…?」
「ルーテシアちゃんが楽しくなるようにすればいいんだよ」
コクリと小さく頷き、見よう見まねで新聞を千切り始めるルーテシア。
すると、新しい感触と独特の音が気に入ったのか目を輝かせて黙々と千切り始める。
その様子にホッと胸を撫で下ろす切嗣。
はやての養父になるにあたって色々と育児の本を読んだ経験が生かされた。
少しというか、かなり昔のことを思い出して心が折れそうになるがそこは我慢である。
「…もっと」
「うん、いいよ。新聞はまだいっぱいあるからね。でもその前に千切ったものでまた遊んでみようか」
「どうするの?」
「こうやってね、千切った紙を集めてね。それをグシャグシャって潰すと……はい、ボールになったよ」
新聞で作られたボールを見せるとルーテシアもすぐに真似をして丸め始める。
そこまで見届けると切嗣はおもむろにゴミ箱を取って持ってくる。
「これがゴールだよ。それでこのゴールにポンって」
「……はいった」
近場からフワリと新聞紙ボールを投げ入れる切嗣。
その様子に無感情ながらもどこかワクワクとした表情を見せるルーテシア。
切嗣がそっと促してあげるとルーテシアもボールを投げ入れる。
スポッと小気味のいい音を立てて入ると少し嬉しそうな表情を見せる。
「これはね、いっぱい千切って、丸めて、ゴミ箱にポイするまでの遊びなんだ」
「わかった…」
「他にもこうして小さく千切って上に投げると、雪みたいになるよ」
「フワフワしてる……」
説明が終わるとすぐに新聞を千切る作業に入るルーテシア。
その姿にこれで何とか退屈しのぎの遊びは教えられたかなと安堵の息を吐く切嗣。
何となく疲れたような、気が楽になったような気持ちになりながらその後も彼女のおもりを続けていくだった。
彼女が後にスカリエッティによって処置されることに罪悪感を覚えながら。
おまけ〜イノセントに切嗣が居たら〜
シグナムとアインス。この二人は家で一番家に帰るのが遅い。
シグナムは剣道場での練習や防犯講習の手伝いで遅くなる。
アインスは夜間学校に通っているために必然的に遅くなる。
そして、そんな二人を心配して遅い時間であればザフィーラが迎えに行くのがほとんどである。
しかし、二人
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