暁 〜小説投稿サイト〜
DIGIMONSTORY CYBERSLEUTH 〜我が身は誰かの為に〜
Chapter2「父を探して 山科悠子の依頼」
Extra1:“怪人デジ面相”
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”なんて知りません!」
「そうですか、すいません。お手数をおかけしました」
そう言って頭を下げると、彼はその場から去っていった。何やらアニメの名前を呟いていたが、これは素だろうな。
さて…おそらくあの人は白だ。デジモンに操られていたとはいえ、そのデジモンがこんなことをする理由がない。ベジーモンはあくまで、あの人の心に惹かれて憑りついただけだろうし。
そう思っていたとき、デジヴァイスに通信が入った。このタイミングからして、おそらく暮海さんだ。
『―――容疑者は捕まえたか? 捕まえたら又吉刑事に見つからないように連行して…』
「暮海さん、残念ながら俺が見つけた人は“怪人デジ面相”ではなかったようです」
『何? そうか…それは気の毒なことをしたな…。では、改めて調査してみよう。一度事務所(こちら)に戻ってきたまえ』
「了解です、では」
そう言って通信を切り、EDENを出る。一から調査のしなおし、また聞き込みから始まるのか。まぁ一人の男性を救ったと考えれば、悪くはないか。
「お前さん、今度はここら辺で調査かい? ハハハ」
しかしEDENを出た矢先、またも知った声に呼びかけられる。
振り返ると、そこにはやはり又吉刑事と……何故かもう一人、先程聞き込み調査の際に、デジモンに憑りつかれていた男性の情報をくれた、あの「デュフフ」と呟いていた警察官がいた。
「あの、又吉刑事…その人は?」
「ん? こいつか? こいつが例の“怪人デジ面相”だよ、たった今逮捕したところだよ」
「え……えええぇぇぇぇぇ!?」
え、さっき俺も会ったこの人が!? だって警官の格好を…えぇ!?
「こいつ、警察官の格好をしているだけのシロートさんなんだよ。気づかなかっただろ?」
「さすがは又吉刑事です…“新宿マタギ刑事”の異名を持つ程のことはある…デュフフ」
ニヤリと笑い親指で後ろの男性を指す又吉刑事。対し男性は帽子を押さえる仕草で目元を隠しながら笑い、そう言った。
“新宿マタギ刑事”…又吉刑事の異名だったんだ。暮海さんも言ってなかったから、彼女も知らないのだろうか。
「俺はハナから、この事件の犯人は警察に恨みがあるヤツじゃないと思ってた。“新宿マタギ刑事”―――あれは俺のニックネームだ、何十年も昔のな」
「何十年…」
「そんな昔のことを知ってるのは、それこそ昔俺にお世話になったヤツか…よっぽどの警察好き―――いや、“マニア”しかありえねぇ。
新宿(ここ)で聞き込みをして、こいつに出会った時、ピンときたんだ」
「それで調べてみたら、案の定…」
「そう、本物の警察官じゃない―――どころか、電脳捜査課志望で警察試験
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