暁 〜小説投稿サイト〜
DIGIMONSTORY CYBERSLEUTH 〜我が身は誰かの為に〜
Chapter2「父を探して 山科悠子の依頼」
Extra1:“怪人デジ面相”
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ネット”を、ベジーモンの動きを限定させる罠(トラップ)を設置したのだ。
 一歩引いた俺達を狙おうと前進していたベジーモンは、思わず足を止めて罠を回避する。


「ぽッ!」

「ッ―――ギャアアアッ!? アチ、アチッ!」


 動きが止まった、その時。テリアモンの炎が襲い掛かる。ベジーモンはそもそも植物型デジモン、当然火は大の苦手だ。頭部に燃え移った火を消そうと移動しまくっている。


「―――うるさい!」

「あぶ…ッ!」


 そこへ打ち込まれる拳―――世間体的には、“拳骨”と呼ばれるものが落とされた。
 放ったのはブイモン。短調な動きをするベジーモンに合わせ、強烈な拳骨(ブンブンパンチ)を振り下ろしたのだ。
 成熟期とはいえ、実力的には強めの成長期と同等なベジーモンにとって、苦手な火炎攻撃の後の一撃を耐えきることができず。目を回して気を失ってしまった。





 結構な暴言を吐いたにしては、呆気なく倒されたベジーモン。手ごたえなく沈んだ彼を見下ろし、ブイモンは両肩を落とした。


「はぁ…最近歯ごたえねーなー。あの赤いの(グラウモン)以来、全然戦い足りねぇ」

「まぁそう言わずに…戦わないで済むならそっちの方がいいし、手荒なのはやっぱり嫌だよ」


 見るからに落胆していたブイモンを、落ち着かせるようにワームモンが言い寄る。
 対し俺とテリアモンは、ベジーモンの支配から解放された筈の男に近づく。どうやら気を失っているようだが。


「あの、大丈夫ですか?」

「…ぬわっ!? あ、あれ…僕はいったい何を…?」

「あなた、デジモンに憑りつかれていたみたいなんです」

「デジモンに? そっか、だからここ最近の記憶が…」


 体を少しゆすってみると、簡単に目を覚ました。どうやら記憶が曖昧なようだ。
 曖昧なのは仕方ないのだが、これだけは聞かないと。


「すいません、“怪人デジ面相”ってご存知ですか? 警察の機密データを盗むと、犯行予告を出した人物なんですが…」

「か、“怪人デジ面相”? どういうことですかそれは? 第一僕はハッカーでもないし、警察を恨んでたのは…そりゃ事実ですけど…」

「そうなんですか?」

「だって、僕が他の人よりもちょっとだけ怪しげなオーラを持って生まれて来たからって、僕ばっかり目のカタキにしなくてもいいのに!」


 あぁ、ありますよね。見た目だけで判断してしまうこと。さっき言ってた職務質問だったり、自転車の登録番号確認だったり。
 あくまで確認とかだけど、それをする判断をするのは警察官自身だから、どうしてもそう言った雰囲気の人達に声をかけるのは、仕方ないとは思うけど。


「とにかく、僕は“怪人デジ面相
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