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ブレイクブレイド 漆紅の刄と蒼き鋼のアンダーゴーレム
ユネス・ランガード
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ない女の子はこの国の姫で有り王女で在った。
全国王は数ヶ月前に病死し。その娘、ユーナ・アイスチールは全ての責任権と罪を咎めさせる事で王に即位させられた。
その王女は保険だった。
よくある話だ。
どうでもいい奴を犯人に仕立て上げて当の本人は後方から命令するだけ。そして捨て駒として捨てる、「私は何も知りません」そう惨めに地面に這いつくばりながら負けた時に備える様に。
それを子供に背負わせる最低なクズ野郎は安全な所からのうのうと指示を出しこの国を支配する。
この戦争に勝っても負けても王女は意味はない。
負ければ殺され。勝っても操り人形のまま生涯を終えるだけの虚しい人生。
でも、それでも女の子はいいと思っていた。
この国を守れるならこの国を見届けられるなら……民を愛し国を愛する女の子は孤独だった。
国の上層部の大半は敵、その中にも女の子を国の王と認め仕える者も居れば玉座を影から狙う者も居る。
その代わりは幾らでも居る。
女の子は知っている。自分が死んでも別の誰かが私の代わりに王と成ると。だが、それでは何も変わらない。
……私が死んでも、この連鎖は断ち切れない。
裏で実権を握っている奴からすれば女の子は王は置物でしかない。王が変わろうとそれは変わらず、また新たな操り人形として扱われるだけだ。
なら、私は操り人形を演じよう。
女の子は孤独だ。
それは国を想い、国を愛するが故に孤独だった。
先代の誓を胸に女の子は今日も操り人形を演じる。
玉座で座り、国を眺め。言われた通りに指示を出す。
この国の為に。この国の為に……。
「そんなかった苦しくなるなよ」
その一言で女の子の真っ暗だった視界は光で満たされた。
「女王なんて関係ない。お前はお前の望む様に生きればいい」
「国を護りたいならその武器を使って運命に足掻け」
「そうすれば自ずと道は開くからさ」
女の子は涙を流し。
男に抱きついた。
男は女の子の頭を優しく、優しく撫で決心した。
この女の子を守る。
その決心は後に男の人生を運命を狂わしい困惑させる。
それは始まりの終わり。終わりの始まりでもあった。
男の名前はユネス・ランガード。
この国でこの世界で一番、魔力を保有するゴーレム乗りだ。
これはそんな男のちんけな物語。
女の子を守る為に、国を守り。女の子の為なら国をも滅ぼす、そんな男の物語
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