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ブレイクブレイド 漆紅の刄と蒼き鋼のアンダーゴーレム
ユネス・ランガード
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も感じず殺すだろう。
 それ程、この国は平和だったのだ。
 仮初の平和で満足し食糧不足や他国からの圧力に悩まされる事は有っても平和だったのだ。
 今、その仮初の平和の鍍金は剥がれ。
 この国は危機を迎えている。
 敗北は有っても勝利は敵わない。
 この国の敗北は、ほぼ決まっている。
 それでも必死になって抗い抵抗しこの国は勝利を勝ち取ろうとしている。意気込みは有っても勝算はない。
 唯一の勝算はクリシュナとの同盟。
 一度は失敗した同盟をもう一度、持ち掛け同盟に成功すればこの状況を打開できるかも知れない。
 だが、それが出来ないからこそアイスチール王国は戦争の危機に陥っている訳で今更、同盟してもアテネス軍に攻め滅ぼされる結果は変わらない。
 この国は正確に簡単に単調に一言で説明するならば大陸地図で記されているクルゾン大陸でこの国は《存在》していない事になっている。
 この国は大陸全体を地図で示した後に発見された未踏の地で発見される前から特有の文明を発達させた人間達の国だったのだ。
 その正確は温和で非常に穏やか。
 文明も他国より劣り、領土を拡大する為の格好の的だった。
 なのに、アイスチール王国は未だに支配されず独自の文化と他国から得た技術力を吸収し今に至る。
 何故、落とせない? 何故、戦を得意としない彼等に敗北するのか?
 別にアイスチール王国の人間が他の人間より別段、優れている訳でもない。それなのに彼等は他国からの侵入を阻み続けた。どうやって……一体どうやって?
 簡単だ、この国。アイスチール王国は雪と氷で覆われた未踏の大地だからだ。
 寒さや地形の凹凸に吹雪、雪国特有の環境に対応する事が出来ず。彼等は環境を利用し自分達の身を守ったのだ。
 流石に大国であれど天候や環境には対応できず撤退を繰り返しこの国は今に至っている。
 ゴーレムの数や兵の数を環境、地形でカバーしアイスチール王国は何度も危機を脱し。この大地の気候、環境に救われてきた。
 この国の存在は他国では秘匿とされ一部の人間のみが知る秘境とさえ言われる程。
 アイスチール王国は山と山の間に存在し。
 周辺は山だらけ、これこそ自然の砦に相応しい。
 敵国は山を登らねばアイスチール王国を攻略する事は出来ない。自然に護られた国、アイスチール王国を落とせない最大の理由だ。

 鉄壁の守備力を誇る国、はっきり言うとこの国は『それだけ』なのだ。
 確かに防御力は優れている。だが、それ以外は平凡で軍事的利益は全くと言って無い。
 それなのにアテネス軍はこの国を狙っている。
 資源、食糧に乏しい国を落とす必要はどこにあるのか?
 それすら俺達、下っ端には関係のない事だった。
 国が危機なんだ、国を守る為に武器を取り戦え。
 上の奴らは俺達に何か
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