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ブレイクブレイド 漆紅の刄と蒼き鋼のアンダーゴーレム
ユネス・ランガード
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 解体するのは整備するより楽でもそれを一人でこなすのは骨の折れる作業だ。
「……ほぉ〜ここの調整、中々イイね!」
 整備士は整備を終えたばかりのリカーナの拳を撫でながら言うと。
「なぁ!アンタの名前は?」
「……ユネス ランガード」
「へぇー。変わった名前だな。
 俺の名前はランジス、ランジス マッカート」
 ランジス マッカート?
 確か……ここの整備長の息子の名前だった様な。
「それでユネス、ここの駆動系の所。
 なんで態と緩めにしてるんだ?」
「キツく締めすぎるとゴーレムの動きを阻害するし緩すぎると戦闘中分解の可能性も有るからな。
 敢えて規定値より緩く締めて柔軟性を確保しつつ腕の関節を曲げる時の速度を上げる為だ」
「ほほぉー。俺と同じ考えだ」
 そう言ってランジスは作業袋からナットを取り出し。
「でも、ここのボルト強度を考えるともうちょっと締めないと接近戦だとイカれるぜ」
 キュキュッとナットでボルトを締め直しランジスはニコッと笑った。
「ありがと、参考にするよ」
「いや〜それほどでもねぇよ」


「よし!終わった」
 真っ白なマントでゴーレム全体は覆われ装甲の隙間に特殊なカモフラージュ用の布を纏わせリカーナの調整は……やっと…………終わった。
「解体作業は終わってないけどね」
「まぁまぁ、気を落とすなよ。
 俺も手伝うからさ」
「そりゃぁ助かる」
 自然と笑みを浮かべながら俺は解体中のリカーナの腕から靭帯を取り出した。
「相変わらず絡まってるな」
 靭帯を何重にも束ねて靭帯馬力を向上させると接近戦や移動する時、等に効果を発揮するが。
 靭帯を重ね過ぎると戦闘中や移動中に絡まってゴーレムの行動を阻害してしまう。一応、絡まらない様に靭帯の位置を工夫している痕跡は見られるが、激しい動作をするとどうしても靭帯同士が絡み合い機能を提出させてしまう。
 恐らくこのリカーナもそれが原因で大破したのだろう。
 戦闘中に靭帯同士が絡み、敵ゴーレムの攻撃で大破まで追い込まれ搭乗者は命からがら逃げ延びると。
 まぁ、搭乗者から無事なら俺はいいけど。上の奴らはその命からがら逃げ延びた搭乗者を敵前逃亡と判断し減俸になったそうだ。
 ―――――なんか理不尽だよな。
 戦って死ぬってどんな気分なんだろうか?
 その時にならないと解らない気分に頭を悩まし俺はこのゴーレムに乗っていた搭乗者の心境を想像する。
 ……生きて帰ってこれただけ儲けもんなのかもな。
 他国では敵前逃亡は死罪で生きて国に帰っても死刑なんて事も有るらしい。実際の所、詳しく知る訳ではないので減俸で済んで良かったね♪と慰めるべきなのかも知れない。
 この国の兵士は浅く戦の経験の少ない。
 戦争慣れした兵士から見れば一般人と差ほどの脅威
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