5部分:第五章
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葉にふと気付く遼子だった。
「お姉ちゃんもこっそりと何かやってるってこと!?」
「だってそうじゃない」
「そうよね」
皆はここでそれぞれの顔を見合わせて言う。遼子一人が慌てたような顔になっているのが滑稽な風景になっている。遼子自身は気付いていないが。
「美人になるのってある程度は素質だけれど」
「後は努力次第だからね」
「そうよね。お姉ちゃんはどう見ても」
姉の顔とスタイルをあらためて脳裏に浮かべて考え抜く。
「努力した奇麗さよね、絶対に」
「ほら、謎が一つ解けたわ」
「何かっていうのを探してみたら?その謎をね」
「そうね」
そして彼女達のそのアドバイスに頷いた。
「やってみるわ。ただ」
「ただ?」
「どうしたの?」
「明日少し勝負があるのよ」
こう皆に言うのであった。
「明日の朝ね」
「決闘でもあるの?」
「あんた何かしたの?」
「そういうのじゃなくてね。大体何で決闘なのよ」
変な話だと聞いていて思う遼子だった。考えが変わったのだ。
「まあ決闘って言えば決闘かしら」
「話読めないんだけれど」
「矛盾してるわよ、矛盾」
「それが矛盾していないのよ」
「?どういうこと?」
「こっちの話よ」
駅のプラットホームでの話はしないのだった。
「こっちのね。気にしないでね」
「何かわからないけれど気になるし」
「何が何なのか」
「だから。気にしなくていいから」
随分と強引に押し切る遼子だった。
「聞かなかったことにして。いいわね」
「普通に凄い気になるし」
「何なのよ、本当に」
「本当に何でもないわよ」
無理矢理そういうことにしようとしてきた。
「だから。この話はこれで終わり」
「まあそこまで言うのならいいけれどね」
「あんた喧嘩とかはしないし」
そういうふうな方面には興味のない遼子だった。興味があるのはやはりスタイルとメイクとファッションについてだ。そういうところが実に今時の女の子である。
「そんなに言いたくないのならいいわよ」
「気にはなるけれどね」
「それよりもよ」
「ええ」
話が元に戻った。しかも最初にだ。
「それでこの娘のメイクだけれどね」
「要点は赤なのね」
「そうよ、赤よ」
写真の目と唇を指差しつつ皆に話す遼子だった。こうしてとりあえずはいつもの学校生活を送った。しかし次の日。彼女は明らかに違っていた。
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