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ロザリオとバンパイア〜Another story〜
第47話 陽海学園へようこそ?
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っ放すのは、問題児以前の問題だ。だから、それは流石にまずいので屋上に移動する事にしたのだった。






 そんなカイトを見て、言葉を盗聴している女性がいた。
 遥か上空高く、人差し指と親指で円を作って 彼を眺めていた彼女は、慌てていた。

「ヤバい!! 確か、そのまんまの能力持たせてた!! 能力そのままにしてたら、流石に前の仲間達に正体ばれるかもだし。え、えっと……あの学園の理事長がそうだったよね? そ、それで あっという間に思い出したりしたら…」

 数日で思い出されてしまったら、命懸けで彼を救おうとしたアカーシャの気持ちを踏みにじってしまう結果になるだろう。だからこそ、もう少し介入することを決めた。

 そう、見ていたのは女神シェリアである。

「よし!」

 彼女は、何か思いついたのか、カイトの方へ向かった。







 そして、学園の屋上。
 休み時間だが、人気がなかったのは幸いだ。

「さて… 能力の確認をするか」

 だが、実際に悪魔の力ってどうやってるのか判らない。身体の何処に力を込めれば良いのか見当もつかないのが現状だ。

「(ん…… 何かそれらしき感じないな…)」

 頭に、己の力を想像して、思い浮かべても、……何やら集中してみても何にも起こらなかった。

「(確かに、体術は申し分ない。 砕蔵の攻撃も完全に見えた。止まって見えた。……それに、一瞬で動けた。 でも、肝心の自然(ロギア)系の力は?)」

 考えても分からない為、荒療治とは思ったが、とりあえず確かめる事にした。

「ん。この鉄パイプで自分をちょいどついて見るか。正直実感は無いけど、アレを使えてるのなら、流動する身体だったら、捉えられずに無効になる、筈だろう」

 カイトは、屋上に落ちていたいかにも不良が使いそうな鉄パイプを持った。

「りゃ!」

 掛け声と同時に、カイトは自分に向かって、鉄パイプを打ち下ろした。


 スカーーン!! と言う衝撃音が屋上に響き渡った。……もし、教室の窓とかを開けてたら、聞こえたかもしれない。

「いっ………たーーーーーーー!」

 確かに、恐怖心もあったし、ある程度加減したとはいってもそこは鉄のパイプだ。頭に打ち下ろした事もあって、結構痛い。

「い、痛い… クラクラする…」

 当然の成り行きだ。傍から見れば、おバカなのは自分だろう。
 カイトは、フラフラしながら立ち上がった。

「何だよ… あの女神さんちゃんと付けてくれてないじゃん…! もー! 欠陥能力じゃんか!!」

 カイトの叫びが屋上に木霊するのだった。






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