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ソードアート・オンライン 神速の人狼
圏内事件 ー推論ー
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ースクリフがユーリに執着を見せていたという事実に目を丸くした一方で、しつこく勧誘されなくてよかったと安堵の感情もある。会う度に、勧誘とか嫌過ぎる。それがおっさんとかなおさらだ。まぁ生涯 ソロプレイヤー (ぼっち)を貫く自分にそんなものが来るはずもないか……と最終的な結論に至り、自己嫌悪に陥ったところで思考を打ち切り、ユーリ達に視線を向ける。

 ヒースクリフの勧誘がよほどしつこいのか、冷静沈着、クールなイメージに定評のあるユーリが犬歯を剥き出しにし剣呑な視線で睨みつけており、加えて彼のトレードマークである犬種の耳はピンと立ち、尻尾は高く持ち上がっている。

「君が入ってくれないならば、やはりシィ君の方を籠絡するべきか……」

「あいつにちょっかい出すのもやめろよ!」

 ユーリの剣呑な視線を受けても動じる事なく涼しそうな表情のヒースクリフを見て、刃傷沙汰にならないよなと一抹の不安が(よぎ)る。実際、すぐにでもストレージから武器を取り出し、斬りかかりそうな殺気がユーリから感じられる。

 もっとも圏内で斬りかかろうともシステム障壁に阻まれ、同時にHPは固定されているのでHPが減る事は絶対にない。だが、圏内で殺人が起きるというありえない事象がありえた今、絶対のルールを過信するわけにはいかない。トッププレイヤーを失えば、攻略組の損失に直結する。

 昼飯にヒースクリフを誘おうと言い出したのは俺だし、ホストが仲裁に入るべきか……と腹をくくると意を決して、ヒースクリフへと話しかける。

「立ち話もなんだし、歩きながらでも話さないか。それに、あんたも一日中フリーってわけじゃないだろ?」

「ふむ。確かにメインはキリト君のランチだったな。今日はこれで引き下がるとしよう」

「……ふんっ」

 あっさりと引き下がってくれたヒースクリフに肩透かしをくらうも、安堵する。少し離れた位置でキョロキョロと辺りを珍しげに見ていた閃光様に声かけ、呼び戻すとキリト達、一向は目的の店へと案内へと歩き出した。


 ーーーーーーーーーー

 キリト曰く、『滅多に人の来ない穴場のNPC料理店』とやらに向けて、キリトを先頭にして歩き出した四人は狭い路地を進んだり、右に逸れたり左に行ったりして数分、アスナは前を歩くユーリの変調に気がつく。

 先ほどから、ビクビクと怯えた様子で動きがぎこちない。さらにいつもは多少は左右に揺れている尻尾も力無さげに垂れ下がっており、微動だにしない。

「ユーリ君、どうかしたの?」
「ひゃいっ!?」
「え……?」

 声をかけた途端、ビクンと肩が震え素っ頓狂な声を上げるユーリ。本人は問題ないと言うが声は上ずっており、問題ないことはないのは明らかだ。
 彼の態度といい、先の反応といい怪しいと疑心
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