4部分:第四章
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けるって?」
今のクラスメイト達の言葉には苦笑いになる遼子だった。
「私が?皆を?」
「これでも参考にさせてもらってるのよ」
「大いにね」
彼女達は屈託のない笑顔で述べるのだった。
「合コンで男の子の注目を集めるしね」
「私彼氏にいつも奇麗だの可愛いだのって言ってもらってるのよ」
「彼氏!?」
「そうよ、中学生からの彼氏よ」
楽しそうに笑って遼子に答える。
「こんなこと言ったら皆に顰蹙だろうけれどこれがすっごいイケメンなのよ。もうアイドルみたいで可愛くて優しくてね。もう私にぞっこんなのよ」
「あらあら、のろけちゃって」
「もう顔が真っ赤よ、あんた」
実際に彼女は両手を頬に置いて身体をくねくねとさせている。少し間違えるとムンクの叫びの姿だがその真っ赤な顔と嬉しそうに笑顔で閉じている目がそうではないと教えている。
「彼氏いるならいるでいいけれど」
「もうちょっと謙虚にね」
「わかってるわ。御免なさい」
苦笑いする皆に謝るがまだ笑顔である。
「ついつい」
「はいはい、わかったから」
「おのろけはこれで終わりね」
「ええ。それで遼子」
「ええ」
また話の主役が遼子に戻る。彼氏の話には無反応だった彼女はここでまた反応を見せるようになった。
「あんたのさ」
「私の?」
「メイクはわかったけれどもう一つ聞きたいことがあるのよ」
「着こなし?それとも手入れの方法?」
彼女は最初そう思った。しかしここでそのクラスメイトは言うのだった。
「あんたには直接関係ないけれど」
「直接なの」
「そう、直接」
こう語るのである。
「直接じゃないけれどね。いい?」
「別に。いいけれど」
いぶかしみながら答える遼子だった。
「それはね」
「いいのね。それじゃあ」
「それで何なの?」
そのクラスメイトに対して問う。
「私に直接関係ないって」
「あんたのお姉さんのことなんだけれど」
「えっ!?」
姉と聞いて急に声をあげる遼子だった。
「お姉ちゃんがどうかしたの!?」
「どうかしたのって急に」
「どうしたのよ」
急に声をあげた彼女に対してクラスメイト達が目を丸くさせて問い返す。
「い、いえ別に」
しかしすぐに落ち着きを取り戻す遼子だった。彼女は学校では落ち着いているということになっているのだ。これは多分に仮面であるが。
「何もないけれど」
「そうなの。何もないの?」
「本当に?」
「え、ええ。そうよ」
何とか落ち着きを取り戻しつつ皆に返す。内心では汗をかいて仕方がないがそれは何とか仮面の下に隠すことに成功した。
「何もないわ。それでね」
「ええ」
「お姉ちゃんがどうかしたの?」
声が上ずるのも必死で抑えながら問う。
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