マブラヴ
1218話
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ドウミラーの技術で改修されているとしても、アシュセイヴァーやシャドウ、メギロートが少数だけという状況でBETAと戦っても、向こうの増援に対応しきれない可能性がある。
せめてもう数機いれば……そう思っていると、まさにそれがトリガーになったかの如く新たな通信が入ってくる。
『ひゅうーっ! 風は自由だ。俺は風、自由なる風!』
あー……うん。まさかあいつが来るとは思わなかった。
修羅の中でも、その言葉通りに自由なアリオンが乗っている修羅神、アガレス。
どこか馬を思わせるようなその機体は、背後からBETAを吹き飛ばしながら真っ直ぐこっちへと向かってくる。
「……なぁ、ムウ。援軍が来たんだし、俺はもう門級の向こうに行ってもいいよな?」
『おいちょっと待て。単体攻撃が得意な修羅神が援軍に来たからって、BETAみたいな数だけの相手にはあまり効果がないだろ!?』
『おいおい、俺のアガレスちゃんを見くびって貰っちゃ困るな。それに、ほら見な』
飄々とした雰囲気のまま、アガレスが要撃級を蹴り砕きつつ背後へと腕を向ける。
すると、そこにはヤルダバオトやビレフォールのような修羅神や、かなりの数の烈級修羅神が姿を現す。
へぇ。こっちに向かってやって来たのは修羅神の集団だったか。
確かに単機ではBETAに対して弱いが、こうも機数が多くなれば……
「ムウ」
『……はぁ、分かったよ。シャドウを連れてけ』
「いいのか?」
『しょうがないだろ。マーズゼロの重要区域だ。中に向かうってのにお前さんだけって訳にはいかないだろうし』
その言葉に頷きを返し、俺はシャドウを連れたまま門級に開いた穴の向こうへと入っていくのだった。
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