暁 〜小説投稿サイト〜
逆さの砂時計
Side Story
無限不調和なカンタータ 3
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……ん?
 いやいや。男に可愛らしいとか、おかしくない?
 「……うん。できなくてもやらないと、木にも失礼だよね」
 お。反応が良くなってる。自分でやることの意味に気付き出したかな。
 真剣な表情で道具を握り直し、木に向かい合う。
 その調子よ、カール。頑張って自立して。主に私の頭痛を癒す為にね……って
 「カール!」
 「う、ぶぐッ!?」
 枝を飛び降り、今まさに裁断を再開しようと構えた背中へ ドカッと体当たる。
 「みぎゃぁッ!?」
 地面に重なって伏せた二人の目の前に、勢いで吹っ飛んだ伐採道具の薄刃が落ちてきた。
 でも、それは問題じゃない。
 「グリディナさ……胸! 少しは気にしてくださいってば!」
 そっちでも無い!
 「性欲は横に置いときなさい! 急いで立って!」
 「え?」
 跳ね起きて後方に振り返れば、地面に黒い穴がぽっかり空いていた。
 「あ、な?」
 のそのそと立ち上がったカールを背に庇い、身構える。
 ……どういう事? この気配は……


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