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とある科学の傀儡師(エクスマキナ)
第3話 サソリの正体
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だってみたいですよね」
「え、うん、まあ」流されるままの御坂。
分身の術といえば忍者、忍者といえば分身の術。
サソリは、面倒くさそうな顔をすると印を結び始めて、ボンという音と共に煙の中からサソリと瓜二つの人物が出現した。
なんか証拠を見せないと信用がなさそうだ。
「これでどうだ」
「おおおおおおお!!!すご、すご」
サソリの予想以上に盛り上がる佐天と御坂。
「こんな初歩的な術でか」
一応、アカデミーで習ったものだったがこの場所では大変珍しい術らしい。
本来であれば実践で使えるのは実体と同じように振る舞う砂を媒体とした「砂分身」が良いのだが、ここは四方をコンクリートに囲まれた病院では唯の分身の術となってしまう。
「ふーん、どんなトリックがあるのやら」
と白井がサソリの分身体に触れるとボンと出現した時と同じように煙を出して消えた。
「き、消えましたわ」
「分身には実体がないからな」
「ねえ、あとは何ができるの?」
「……専門は傀儡だが」
くぐつ?
初めて聞くその単語に佐天は軽く考え込む。
……
「くぐつ……クグツ……クグツカス!」
そしてネットで得た崇高なる情報(偏見眼)を駆使して佐天が指をビシっと伸ばして言う。
「それを言うならググレカスですよ佐天さん。えっと、くぐつって傀儡(かいらい)って書きますか?」
初春がパソコンの画面を見せる。そこには「傀儡」の文字が並んでいた。
「ああ、それだ」
「なんですの、その傀儡って?」
「あやつり人形ですよ。ほら人形劇で使われている。ちょっと待ってください」
初春がキーボードをカタカタと打ち込んで画像を見せる。
昔懐かしの小さな人形に糸が括り付けられている画像集を四人に見せた。
「へえー、じゃ人形使いみたいな感じかしら。それじゃ、この人形を」とゲコ太人形をサソリの前にだした。
ゲコ太はカエルを模したキャラクターで御坂はその大ファンとしてグッズを集めている。
「なんだこれ?」
食事台に置かれたカエル人形に半眼の眼を向ける。
「お姉様も何でこんなものを携帯してらっしゃるのかしら。もう少し大人に……」
「うっさいな。ねえ、やってみて」
「いや、御坂さん!あやつり人形なのでさすがに糸を用意しないと」
「あ!!そうだったわね」
「糸はいらん」
サソリは身体を起き上がると右腕の先から青い糸状の物体が伸びてきて、ゲコ太人形の特定の箇所に張り付いた。
この様子だけでも四人には、不可解に見えた。しかし、次の瞬間にはまるでゲコ太人形に命が宿ったかのように、滑らかな動きを見せ始めると疑問なんか露切れる。
「うわぁ、ゲコ太が生きてる」
うっとりと眺める御坂にゲコ太は、クルクルと回転をして軽く挨拶をした。
「関節の動きが悪いな……ちょっと弄っていいか」
「だ、ダメよ
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