暁～小説投稿ｻｲﾄ～:ソードアート・オンライン～Another story～第217話打倒スリュム　……トンキーの為に

暁～小説投稿ｻｲﾄ～

ソードアート・オンライン～Another story～

キャリバー編
第217話打倒スリュム　……トンキーの為に
[6/13]

、今行われている虐殺(スローター)系のクエストの真実についても、ウルズから語られた。

『我が眷族達をなかなか滅ぼせないことに苛立ったスリュムは、ついにそなた達、妖精の力をも利用しはじめました。《エクスキャリバー》を報酬に与える、と誘いかけ、眷族達を狩り尽くさせようとしているのです。――しかし、かの剣を、スリュムが余人に与える事など、ロキの様に結界を施してでも、己の戯れに、としたとしても、それだけは……有りえません。エクスキャリバーが失われる時、再び世界樹イグドラシルの恩寵はこの地に戻り、あのしろは溶け落ちてしまうのですから。万が一、億に一の可能性だったとしても、ゼロでない以上は絶対に』

　そう、リュウキが図らずしも当てていたのだ。
　即ち、《どちらかがダミーである》と言う可能性が現実のものとなった。

　王でありながらの狡さを持った《スリュム》

　間違いなく、昨今において最も凶悪で強力な相手だと言う事は皆が理解出来た。

　最後に、ウルズは目を閉じ、懇願をした。

『妖精たちよ。スリュムへイムに侵入し、エクスキャリバーを《要の台座》より、引き抜いてください』

　

　ウルズは、その後金色に光る水滴に溶けて、消滅した。
　トンキーはまるでウルズを追いかけるかの様に、いやウルズの最後の願いを託す妖精達をウルズに変わって目的地へと丁重に運ぶかの様に、緩やかに上昇していった。

　あの城《スリュムヘイム》に向かって。

「……なんだか、凄い事になってきたね」

　そんな緩やかな空中の旅だったが、あまりの話に、アスナがまず呟いていた。

「……うん。アルヴヘイムの空に、あの城が出てきた時も、びっくりだったけど……なんだか、それ以上に感じたよ」

　レイナも同様だった。
　何かが、この世界に生まれる……事にも当然驚きや衝撃はあるものだろう。……だが、今回のは全てが逆だ。

――消滅してしまうかもしれない。

　その事が頭に残り、強く印象深くさせたのだ。

　続いて、思考を立て直したシノンがその水色の尻尾を鋭く振り動かしながら言った。

「これって、普通のクエスト……なのよね？　でもその割には話が大掛かり過ぎると言うか……、動物型の邪神が全滅したら、今度は地上にまで霜巨人に占領される、とか言ってなかった？」
「……間違いない」
「ああ。オレもしっかりと訊いたよ」

　リュウキもキリトも頷いた。
　だが、解せない点は他にもある。ストーリー上では別におかしい事ではない。だが、ALOと言う世界観では、おかしくない、と言うだけであり、ゲームとして考えたらやはりおかしいのだ。キリトはその疑問をそのまま口にした。

「でも

[8]前話 [1]次 [9]前最後最初 [2]次話

※小説と話の評価する場合はログインしてください。

[6]

[0]目次に戻る

暁～小説投稿ｻｲﾄ～
利用規約/ﾌﾟﾗｲﾊﾞｼｰﾎﾟﾘｼｰ
利用ﾏﾆｭｱﾙ/ﾍﾙﾌﾟ/ｶﾞｲﾄﾞﾗｲﾝ
お問い合わせ

2024 肥前のﾎﾟﾁ