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執務室の新人提督
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「わ、私、ですか……いえ、でも……まだお夜食一緒にした程度ですし……」

 俯いて突如髪等を手櫛で整え始め意味不明な事を呟く大淀を見て、初霜は申し訳ないと書いてある相で口を開いて

「都合が悪いのでしたら、加賀さんに――」
「大淀、いけます!」

 即閉ざされた。初霜はなんとも言えぬ顔で大きく一つ頷き、敬礼をする。大淀がそれに返礼したのを見届けてから、初霜は部屋から退室しようとした。
 その背に、大淀の声が掛かる。
 
「宜しいのでしょうか? その……秘書艦というのは、やはり特別なものですよ?」

 口にしておきながら、大淀も初霜が秘書艦という立場に拘っていない事をよく理解していた。しては居たが、それでもやはり秘書艦は特別だ。特に、昔とは違ってずっとそこに居る暖かい提督の秘書艦というのは、彼女達にとって本当に特別だ。
 初霜は大淀に顔を向け、微笑んだ。
 
「提督の為に頑張れるなら、私はそれだけで満足です」

 同じ女の大淀でさえ見惚れるような、満面の笑みだった。
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