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な相で口にした以上、それが何かを問うのは流石に失礼と控えたのだ。
どうでもいい話だが、一つ。
この鎮守府で三つも専用の艤装があるのは、そのレアさから捕鯨された大鯨、決戦戦力として期待された北上、大井、木曾達と、遠征目的等の為水上機母艦の艤装を二つ持つ千歳と千代田に、嫁艦である山城と、そして初霜しかいない。
純粋なお気に入りとして提督が複数所持したのは、山城と初霜だけだ。
どうでもいい話である。
「あぁ、明日は水上機母艦で長距離遠征ですか」
「はい、瑞穂さんの艤装の調整も兼ねて、千歳さんや天龍さん一緒に、と」
「あぁ、その二人がいるなら大丈夫ですね」
「あと、皐月さんも組み込む予定だから、この後聞いてきて置いて欲しいといわれました」
「……彼女もですか。瑞穂さんも大事にされていますね」
初霜は大淀のいるもう一つの執務室で、書類を渡しながら会話をしていた。話をしながら、初霜は大淀の執務室――大本営への連絡室を見回した。
提督の執務室には無いような、特殊な通信機器が多数見受けられるそこは、どことなく初霜に無機質さを感じさせる。ただ、よく見れば女性らしい小物も幾つか置かれており、それがこの部屋の主の性格を良く表わしてもいた。
「誰とでも相性抜群の千歳さんと、遠征の大ベテランの面倒見抜群の天龍さんに、武功抜群の皐月さん……」
大淀は、自身の執務室を見合す初霜より、書類と提督が指定した艦娘達が気になる様子で、顎に手を当ててぶつぶつと呟いていた。が、それも長くは無い。
彼女は頷いて、書類をファイルに仕舞う。提督と大淀の連絡係でもある初霜は、そのファイルがなんであるか、勿論知っていた。問題なし、とされた書類が納められるファイルである。
「その三人なら、まだ新人の瑞穂さんでも大丈夫でしょう。何があっても対処できます。流石提督ですね」
べた誉めである。提督からしたら特に考えも無く、いつも通りの遠征での編成である。皐月などは提督の史実好きによって多くの戦場にも送り込まれたが、基本的な睦月型の運用方法そのままに、遠征が基本だ。
「あと、その任務には私も行く予定です」
「初霜さんもですか?」
大淀は珍しく相を乱した。幾ら新人の為とはいえ、駆逐艦のエース達が出張るような物ではない。まして初霜は、雪風、皐月、霞と並ぶ駆逐艦のトップエースだ。演習などでも、相手が相当のベテランでないと出撃を許されない駆逐艦の切り札の一人である。
そのうちの二人が遠征に出ると聞いて、流石に大淀はうろたえた。らしからぬ自身の周章狼狽に恥じて我へと返り、大淀はずれた眼鏡をかけなおして咳を一つ払った。
「長い遠征ですが……その間、秘書艦はどうします?」
「大淀さんさえ良ければ
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