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執務室の新人提督
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千代田しかいなかった。しかも開幕魚雷に必要な武装は、この二人しかもって来てくれなかったのである。その重要性は推して知るべし、だ。
 おまけに、
 
「大淀さんもこの前、うちは水母に余裕あるっていったら、否定しなかったし……」

 少し前の事であるが、提督と大淀が千代田を早く軽空母に改装したいと交わした言葉の中で、その様な話題があがった。その際、大淀は提督の言葉に是と頷いたのだ。であれば、ここには余裕があるという事だ。だが、そこで提督は首を傾げてしまうのである。
 
「でも、ここに居るの軽空母で改二の千歳と、最近軽空母になった千代田だよねぇ?」
「そうですよ?」

 そうなのである。提督の言葉に頷く初霜の即答が、それをただ事実であると提督に教える。だがしかし

「水母の千歳と千代田も居るんだよね? その、相応の錬度の?」
「ありますよ?」

 提督の記憶では、水上機母艦の千歳は錬度76、千代田は73と、スペア用に錬度53の千歳と錬度55の千代田がいた。あと軽空母にしようとしていた錬度41の千代田もいたが、これは最近軽空母になったばかりで余り関係は無い。
 はて、さて、と腕を組んで唸りだした提督は、しかし先ほどからの初霜の発言にやっと思い至り、間抜けな顔をさらした。
 
「……ある?」
「ありますよ?」

 いる、ではない。ある、なのだ。さて、それはどういった事なのだと目で問う提督に、初霜は何故か背を正して敬礼した。
 
「説明させて頂きます」
「はいはい、おねがいします」

 艦娘、というのは艤装が無い状態では普通の人間程度の身体能力しか有しない。では何故海上で自由自在に奔り戦えるのかと言うと、艤装によるサポート――というよりは、艤装により本来の能力を取り戻すからだ。様々な戦闘、航法、補助の経験により、艦娘自体も動きを変化させていくが、その度艤装は艦娘との同調率を上げ最適化をはかり無駄を省き動きを鋭くしていく。それがいわゆる錬度とよばれる物になるのだ。
 ここまで聞いて、提督は理解した。
 
「千歳、千代田用の、水母の艤装があるって事だ?」
「はい。錬度は違いますが、お二人に二つあります」

 それを聞いて、提督は何度も頷いた。となると、彼にはまた聞きたい事が増える。

「海域で艤装を拾ったりする?」
「はい。偶に拾いますね」
「それ、鎮守府にいる艦娘用だけだよね?」
「はい、何故かそうなっています」
「建造もそうだよね」
「はい、もう居る人が建造された場合は、艤装だけです」

 何がどうなってそうなっているのかは提督にはさっぱりだが、これは誰もがさっぱりであるらしい。少なくとも、初霜は理解していない。ただ、そうである、と納得はしているようだ。
 
「となると、北上さん達も三
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