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るの?」
「それはないです。絶対ないです。命にかけてもないです」
そう返しながら、青葉は内心冷や汗をかいていた。ただの少女、ただの駆逐艦娘にしか見えない暁だが、専用の艤装に第二特殊改装を施された古強者の一人だ。少なくとも、青葉より先に提督の下に在った艦娘である。
「ふーん、じゃあ、いいわ。そろそろ時間だから、もう行くわよ?」
「えぇ、ご協力どうも」
去っていく暁の背が視界から消え去るまで見送ってから、青葉は力を抜いて息を吐いた。失敗した、と思いながら。
青葉は暁が答えた先ほどの回答を確かめながら、艦時代、そして現在も彼女が所属する水雷戦隊の名を小さく呟いた。
「第一水雷戦隊……」
第一水雷戦隊。主力戦艦部隊を護衛するための戦隊であり、戦艦娘自体に護衛の必要が少なくなった今現在での捉え方をするなら。
提督を守る、小さな盾達だ。
――これだから駆逐艦は怖い。
青葉は脳裏にこの鎮守府の初期からの秘書艦の顔と、今しがた暁が見せた鋭い双眸を確りと思い浮かべながら、メモ帳をうちわ代わりに顔をあおいだ。
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