16
[4/4]
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
いる訳がない。
そんな提督など放っておいて長良は執務室にあるメモを一枚取り、提督のペンを手にして、さらさらとペンを走らせ何かを書き込んでいく。
――無防備だなぁ。
提督は、長良の肉付きのよい太ももを毒にならない程度に見てから、天井を見上げた。長良の姿は何故かブルマ姿だ。健康的な焼けた肌は、長良という健康美を前面に出した少女を輝かせる物だが、倒錯的な面がないとも言えない危うい物だ。
視線を下げ、ため息をはいた提督の眼前に、突如白い物が広がる。それを何かとじっと凝視すると、何事かが書かれたメモだと分かった。もちろん、それを提督の眼前まで持って来たのは長良だ。
「司令官専用の健康的な体を作るための、メニューです!」
「えー……」
長良からの手からメモを取り、上から目を通していく。
「えぇー……」
どう見ても無理だった。オレ・メッチャ・ウラギリスキーとかルーニーやって瞬殺されたお荷物な人には到底無理なメニューだった。
「長良さん、無理だわこれ」
「私と神通さんだって出来るんだから、提督だって出来ます!」
「それもう大半が無理じゃないかな?」
「いけるいける!」
「なに、君達は誰かからセリフ取るのが――あぁいいや、でもこれ……本当に出来るのかねぇ? 例えばほら、球磨さんとか阿武隈さんとか、矢矧さんでも?」
「……」
長良は目を閉じて暫し、むむむ、と呻ってから目を開けた。
「矢矧は……いける。阿武隈はアウト」
「アブゥ……」
同じ長良型ではあるが、改長良型であり由良型とも呼ばれる彼女は駄目であったらしい。
「球磨は……球磨はどうかなー……意外に優秀な球磨だからなぁー……」
猫、マイペース、あれ、眼帯のまとめ役である以上、優秀でなければならないのだろうが、長良でも球磨の優秀さが如何程の物であるかは分からない様だ。
「じゃあ、司令官。走ろう!」
満面の笑みで、長良は提督の背を押してルームランナーへと向かっていく。押されるままの提督は、背後にいる長良を意識しながら、
――だから苦手なんだ。あんな笑顔を向けられたら、やれそうに思えるし、やらないとしょうがないじゃあないか。
そう胸中で苦笑と共にもらした。
二十分後、提督はギブアップした。
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ