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てや、相手は最近建造したばかりの駆逐艦娘、雪風を出してきたのだ。いかな浮沈艦と言えど、錬度と経験が無ければ戦場と運命は覆せない。
二段階目の特殊改造が施された艤装をまとった綾波、時雨、夕立が砲雷音楽を海上に高らかと響かせ、三人に劣らない錬度を誇る高波、初雪、浜風がそれをサポートする。
結果は、前述したとおりだ。
演習相手の艦娘達、そして彼女達の提督に、彼女達は確りと言外で語った。「これが、未来の貴方達である」と。
こんな事により、この鎮守府が他所の警備府や鎮守府から「あそこはやばい」「流石切り札部隊だ」「まじぱねぇ」「嫁(軽空母)の飯が旨い」と評価されてしまう原因の一助となっている訳だが、とある軽空母に「このぴこぴこはなんですか?」と質問されている最中の引きこもり提督は何も知らない事である。
間宮の食堂はそれなりの喧騒を見せていた。食堂に入った浜風は店内にある時計に目を向け、現在の時刻を確かめる。昼少し前だ。あと少ししたら込み出す頃だと浜風が隣の時雨に言うと、
「じゃあ、ゆっくり食べよう」
時雨は平然と言った。
きょとん、とした浜風に時雨は彼女の背を叩く。
「演習とは言っても、僕らは海上帰りだよ。ちょっと位のわがままは、させてもらおうよ?」
あいている適当なテーブルに近づき、時雨は椅子を引いて腰を下ろした。その隣に夕立が座り、各々がそのテーブルに適当に座っていく。
「さてさて、今日は何を食べようかな?」
メニューを手に取り、時雨は今日食べる物を吟味し始める。夕立は勢い良く手を上げ、カウンター向こうの間宮に声をかけた。
「夕立、焼肉定食大盛りっぽーい!」
綾波と高波は、むむむ、とうめきながらメニューを睨み、初雪はテーブルに突っ伏して浜風にメニューを渡す。
「てきとーに……お願い」
「またですか……」
あぁもう、等と口にしながらも、浜風は初雪からメニューを受け取りに口を動かす。
「気分はどうですか?」
「んー……悪くない」
「重い物は?」
「別に……いい」
「じゃあ、焼きソバ定食でも?」
「おけ」
「はい、じゃあ私もそれにしますから、二人前頼みましょうか」
浜風は頷き、メニューの角でテーブルを軽く叩くと、間宮に声をかけた。
それぞれが注文した物は十分ほどで彼女達のテーブルに揃い並び、最後に綾波のじゃがバター定食が彼女の元に届いてから、彼女達は一斉に手を合わせそれぞれ目の前にある料理に一礼する。
「いただきます」
「っぽい」
或る者は勢い良く食べ、或る者はゆっくりと食べる。味わい方もさまざまで、少女と言うのはたった六人でもこうも多種多様なのだと言う事を見る者に深く深く
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