第9話 繰り返す過ち
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最初に俺の元に来たのだったな。
泣きながら、俺の名前を呼ぶアリー。
思い出すと、少しドキッとするが、気のせいだと、言い聞かせる。
「まぁ、事実お前は俺の命の恩人な訳だし、一つだけ、言う事を出来る範囲で聞いてやる。」
「そうカ。それはまぁ後のために取っておくヨ」
そんなたわいない会話も、今は何故か楽しい...。こんな日々がいつまでも、続けばいいのに...と、思うミネであった。
本部に顔を出すとやはり、人でごった返している。
増築なんてことはもちろん、出来ない。
だからもう少し攻略が進めば、拠点を移すことにしている。
もちろん、ここは支部として扱うつもりだ。
「何ボーッとしてんのよっ!!」
急な衝撃にぐらつくが、いつもの事。
俺が傭兵の長を任している彼女は、事ある事に手が出るのである。
「ボーッとも糞も、別にただ突っ立ってただけじゃねぇよ。ドチビ」
「なぁんですってぇっ ! ?」
未だに喚き続けそうなルイズを放置し、奥にある廊下を抜け、階段を上がる。
「そう言えばアリーはと...」
後ろについてきてはいるもののここに来てからと言うより家を出てから喋らない。
やはり少し様子がおかしい気がする。
「お前どうした?いつもならあのちんちくりんと言い争いにでも興じている筈だろう?」
「何でもないヨ?」
気のせいか...。
3階にある、フロアの約半分を使った収容人数約50人程度の会議室。
そこには、攻略組と称されるギルドのトップや、中層ギルド、はたまた鍛冶屋に商人、ソロプレイヤーが所狭しと座っている。
その中にはキリトも、久しぶりだなとクラインも、まだ生きてたのかとトゲ頭も。
部下を動員して集めさせた、様々なプレイヤー達の前に、進んでいく。
そして、口を開いた。
「さてと、会議と言う名の売買を始めようか」
シーン...と場が静まり返ると同時に、ホワイトボードに議題を書く。
「今回は、以前から多数、依頼があった、正体不明のオレンジギルドについてだ。既に被害にあったヤツもいるだろう。友人を、メンバーを、恋人を、殺された奴がいるだろう。実際、奴らの奇襲により商会メンバー5名が犠牲になった。」
静かに聞いているプレイヤー達の中には、既に悔しそうな顔をしているものもいる。
「事実商会も、部隊を編成、計60名による討伐または捕縛を試みたが、俺を含め計7名が死にかけ、撤退を余儀なくされた。よってこれは俺達だけでは解決出来ないと、今この場に皆に集まってもらったわけだ。」
すると、トゲ頭が立ち上がり、口を開いた。
「せやったらここにいるギルドのメンバー全員で虱潰しに探して、捕まえたらえ
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