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――本当に、この部屋にはなんでもある。
初霜はそんな風に思った。
「まぁ、暇つぶし用だよ。流石に、出しっ放しって訳にはいかないから、普段はここだけどねー」
そう言って提督は執務室の隅にあるダンボールから、ゲーム機とそれ用のコントローラーを二つ取す。慣れた仕草であるのは、やはりそのゲーム機の出番が多いからだろうか。
「そんなファ○コンを出したままにしていたら、大淀さんに怒られますよ」
「違うよ母さん、これ6○だよ」
「誰が母さんですか」
ぴこぴこいうのは全部ファ○コンである、と言ったのは一航戦加賀さんであるがこの話には特に関係ない。
「と言うかですね、提督……これは誰が持ち込んで来たんですか?」
「望月さんと初雪さん」
「でしょうね」
その二人じゃなかったらどうしようかと、と言いたくなるほどイメージ通りだった。
「今二人ともプレス○の98甲○園に夢中らしくて、貸してくれてるんだ」
「やめてくださいしりたくありません」
夢に出るから。
「少しばかり手持ち無沙汰ですね、と言っただけで、こうなるとは思いませんでした」
「うん、僕も初霜さんとゲームするとは思わなかったかな」
ゲーム機を出すと、後は早かった。コントローラーをつなげ、電源をつなげ、ゲーム用の型落ちブラウン管テレビを、これまた別のダンボールから取り出し……五分と待たず準備は終わり、気づけば二人ともコントローラーを手にしていた。
「とりあえず、どっちやろうかねー? ロボ? スマッシュ?」
「ロボで」
「はいはい」
しばし無言で二人はコントローラーを動かし、やがて、わー、きゃー、と小さな声で騒ぎながらブラウン管を睨んでいた。
さて、そんな事を続けていれば、集中力はやがて尽きるし、尽きてみると喉が渇いた、小腹がすいたと体が訴えはじめる。
「じゃあ、お茶とお菓子を用意――」
「しといたわよ」
腰をあげて立ち上がろうとした初霜の後ろに、白いブラウスと、サスペンダー付きのプリーツスカートーを纏った、小柄な少女が居た。背格好は初霜とそう変わらないが、浮かべている表情には、淡い攻撃色がある。
「あぁ、霞さん、居たなら声をかけてくれればいいのにさ」
「そんな……ぴこぴこ? に夢中の貴方達に、どう声をかければ良いのよ?」
「違うよ母さん、これ○4だよ」
「知らないわよ」
あの、ぴこぴこ? ですか? 私そういうの良く分からなくて……そう言ったのは鳳翔さんであるがこの話には特に関係ない上に可愛い。
「あはははは」
「そこで苦笑いしてる秘書艦も、嫌なら嫌って言えばいいのよ? なんでもかんでも、このクズ司令官に付き合う必要なんてないんだから」
「いえ、仕事は終わっ
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