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執務室の新人提督
02
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……」

 テーブルに突っ伏し、そのまま寝てしまいそうな初雪。

「初雪さん……自分の分は自分で頼むべきですよ?」

 ため息を吐きながら、結局初雪の分は何を頼むべきかと悩みだす浜風。
 
 その五人が、挨拶もそこそこに初霜と時雨の居たテーブルに固まった。
 もう一度言うが、濃い。性格、という面もあるが、実際には――
 
「特T型、特U型、初春型に白露型に夕雲型の幸運、武勲、功労と揃い踏みだ……」

 誰かが零した小さな言葉が、七人の耳を打ち、彼女達はそれぞれ同じテーブルにつく少女達の顔を見回して、
 
「ぷっ」

 と小さく誰かが吹いた。それを期に肩を震わせる者、腹を抱える者、テーブルを叩く者等などと七人七色の喜色を表した。
 なるほど、そうである。
 くすくすと微笑んでいた初霜は、周りの少女達を見て改めて思う。時雨は言うまでもなく、夕立、綾波は駆逐艦の枠を越えた武勲艦であり、高波は短い艦歴ではあるが、その最後は眩しく、普段だらけて見える初雪にしても意外や意外、隠れることなき武勲艦である。浜風も駆逐艦の仕事をまっとうした正統派の功労艦であるし、
 
 ――私も、まぁ、一応……かな?

 純粋に、武勲艦とは言え無いだろうが、功労艦であり幸運艦ではあるだろう。一人頷いて、初霜は今日は何を食べようかと考え始めた。
 
 女三人寄ればなんとやら、だが、七人も揃うともう大層なものだ。今日の演習はどうだった、昨日の護衛任務はこうだった、昨日のマリカはああだった、等と情報を交換しながら、彼女達は少しばかりの平穏な時間と、間宮の料理を楽しんだ。
 
 楽しい時間と言うのは、あっと言う間に過ぎ去る。御多分に洩れず、少女達の昼食兼お茶会も、そろそろ閉会が近くなってきた。
 
「で、初霜」

 どこか目を細めた時雨が口を開かなければ、自然と解散したであろうそれが

「提督は、どうしているのかな?」

 その言葉で延長戦に入った。
 
 夕立はカウンター向こうの間宮に持って行こうとしていたトレイをテーブルに戻し、上げかけていた腰を椅子に戻す。
 綾波は無言で湯飲みを手にし、口をつけるでもなく前を見つめている。
 高波は普段の気弱さなど鳴りを潜め、作戦行動中の神通と良く似た目で初霜を注視していた。
 初雪は背を正し、目を閉じ次のアクションを待っている。
 浜風は豊かな胸部に手を当て、おろおろしながらそんな彼女達を心配げに見回す。
 
 常と変わらぬ相で、初霜は泰然自若としたまま湯飲みに残ったお茶で喉を潤してから、応じた。

「いつも通り。来られてから――ここに着任されてから、今まで通り、執務室で元気にされてますよ」
「それは良かったよ。で、どうなってるかな?」

 真剣、としか伝えようも
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