第三話
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てわけ?」
「そうですよ高城さん。私は教師ですよ。そしえあなたたちは学生。それだけでも資格はあると思います。」
「そいつはどうかな?」
紫藤が何か言う前に俺はハイパワーを紫藤に向けた。突然の事態に周りは唖然と戸惑いが隠せないが、俺は周りの目など気にせず話を進める。
「このマイクロバスに先に乗り合わせたのは小室達だ。目的地に進むのにバスを扱う権利は小室達にある。後から慈悲で乗り合わせたお前が命令権を持つ権利はねえ」
「で、ですが私なら皆さんを……」
「二度は言わねえ。俺達に着いて来た奴らにも言っておくが、小室達の目的に不満があるなら今すぐバスから出ろ。嫌なら大人しくしろ。」
周りは静まりかえる。そして紫藤はギリッと一瞬悔しそうな表情に変わるが笑顔で「ええ、わかりました」と静かに後ろの席に戻っていく。
今は従うが、絶対にこの集団の命令権は俺が持つと思っているだろうな。エリート意識の塊の奴ほど無駄にプライドが高いし、格下と思っている相手に従うほど自制心で抑えてもアイツの自尊心は深くボロボロにされているし、絶対に機会をうかがうはずだ。
「あ、あのありがとうございます」
「何が?」
宮本に礼を言われる事はしたつもりはないんだけどな。
「あいつの命令通りにするなんて私、我慢できないから」
「よっぽど恨みがあるようだが、俺は自分の利になると思って行動しただけだ。気にすんな」
「それでも、ありがとう」
その後。<奴ら>に侵食されたバスが目の前に突っ込んできたが、これを辛うじて回避して衝突事故は回避した。それから小室達の目的地にバスは進んでいくのだった。
ーーー。
しばらくバスも順調に進んだが途中で渋滞に巻き込まれてしまい、朝日を迎えても渋滞がなくなる気配はなく。渋滞に見かねた人たちの中には車を捨てて歩いて退避する人間もいた。それでも長い行列が出来ており、警官達も退避する民間人達の交通整理に忙しそうだ。
しかし、バスの中の空気は最悪だ。自分の手ごまに出来ない人間とのコミュニティを諦めた紫藤は、自分の話に忠実な生徒だけを集めて新興宗教の勧誘紛いの事を初めている。既に小室達を除いて他の生徒は虜になりつつあった。
「で、どうするんだ?」
「どうするって何よ」
高城はこう言葉を返すが、頭の回転が速い高城も既に気がついてるはずだ。このバスの微妙な空気を。
「この渋滞が切れる気配がない。しかも既に車を捨てて逃げ出している人間もいる。このまま待っても動く事はないぜ。しかもやばい空気は感じているだろ」
「確かにな」
これに毒島は同意したように呟く。既に後ろの席では紫藤のコミュニティが出来始めている。いや、既に完成していると言ってもいい
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