第30話 新たな物語
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ら一緒に作ろう」
そして一時間後。
「…………」
ハルピュイアは今、自分が置かれている状況をイマイチ理解出来なかった。
某所にいたハルピュイアは突然エックスから呼び出されたので緊急の用件かと思いきや、いきなり簡易的なキッチンの前に立たされ、右隣にゼロとエックス、左隣にファーブニルとファントムという状況になっていた。
「何故こうなった…?」
「俺が聞きたい」
それはゼロも同意見だ。
エックスに連れてこられた先には、ハルピュイア、ファーブニル、ファントムがいたのだから。
「君達もルインとレヴィアタンにチョコを貰ったじゃないか。ちゃんとお返しをしなきゃ」
「レヴィアタンにもですか…」
激苦チョコを貰ったハルピュイアは渋面だ。
「あー、俺クッキーとか作ったことねえんだけど。大体ルインとレヴィアタンは戦闘型なんだから戦えばいい…ぐはっ!?」
次の瞬間、ファーブニルが一瞬でエックスに踏み潰された。
「ファーブニル、お主は少し場の空気を読むことを学ぶべきだ」
「よし、僕はクッキーを作るとするよ。君達はどうする?」
ファントムが仮面越しに潰されたファーブニルに呆れた視線を寄越し、踏み潰したエックスが満面の笑みでハルピュイアとゼロとファントムに尋ねる。
「お、俺はレヴィアタンにはマシュマロを…ルインには…ケーキでも…」
「……菓子作りはしたことがない。クッキーの作り方を教えろ」
主の暴力にハルピュイアは顔を引き攣らせ、ゼロは親友に呆れながらもエックスと一緒にクッキーを作ることにした。
「ファントム、君は?」
「拙者は少し試してみたいことがありますので、少々一人にさせて頂きたいのですが…」
「分かった、じゃあまた後でね」
数時間後。
「こんな物か…」
「初めてにしては上出来だよゼロ。」
クッキーをラッピングすると、ハルピュイアの方を見遣る。
レヴィアタンにはバレンタインで受け取った激苦チョコを仕込んだマシュマロ、ルインにはホワイトチョコレートケーキを渡すようだ。
「ハルピュイア…四天王を辞めてパティシエを目指した方がいいんじゃないのかい?」
ハルピュイア「エ…エックス様…流石にそれは…」
因みにファーブニルは気絶したままなので、クッキーの余りを渡させることにした。
そして、それぞれがホワイトデー当日。
バレンタインのお返しを渡す。
「うわあ、美味しそう。ありがとうみんな」
「ありがとうゼロ…凄く嬉しいわ」
「ちょっとキザ坊や!?このマシュマロ滅茶苦茶苦いんだけど!?あんたまさか……」
「ふん、俺は先月その苦さをまともに味わったんだ。マシュマロがあるだけ感謝しろ」
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