4部分:第四章
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たわ」
この言葉を聞き直弥の顔は暗いものからさらに真っ青になった。
「遂に・・・・・・」
「さあ、来られたわよ」
「わかっているでしょうね」
また女の子達の冷たく鋭い言葉が彼を突き刺す。
「終わったらすぐに帰るのよ」
「そして二度とここには来ないこと」
こうまで言われる。
「貴方みたいな人があの方とお付き合いできるなんて」
「どうして。そんな夢が見られたのやら」
「会長、ではこちらに」
「どうぞ」
「はい」
あの穏やかでかつ気品があり優しい声が聞こえてきた。その声が聞こえてから余計に。直弥は顔を青くさせ心臓が凍りつく感触を味わったのであった。
その感触に支配されたまま何とか顔を校門の方に向ける。するとそこに彼女がいた。いつもと変わらぬ見事な姿勢でそこに立っていたのだ。
「未月丘さん・・・・・・」
「時間通りですわね」
まず彼女は直弥を見るとこう言ってきた。
「三日後のこの時間でこの場所」
「はい・・・・・・」
沙代子のこの言葉にこくりと頷く。
「来ました」
「来て頂き感謝しています」
意外にも沙代子は。直弥を見て微笑んでみせたのであった。
「私の招きに応じて」
「約束しましたから」
必死に姿勢を保ちつつ述べた言葉であった。
「この時間にここに来るって。ですから」
「だからですのね」
「はい」
今にも死にそうな顔だったがそれでも答えた。
「そうです。ですから」
「何故私がここに貴方を御呼びしたか」
丁寧で物静かであるがそれでもはっきりとした言葉であった。
「おわかりでしょうか」
「わかっているつもりです」
答える顔がさらに青いものになる。
「それは」
「御承知でしたか」
「ええ」
また答えた。
「それはもう。それは」
「三日前の御手紙のことですが」
やはりそのことだった。手紙という言葉が出て直弥の顔がさらに白くなっていく。まだ白くなるのかと傍目で見ては誰も驚く程であった。
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