不吉な予感
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その時期から、阿伏兎と神威は、一緒に行動していた可能性がある、と。」
「可能性がある、ではなくて」土方さんが訂正した。「そうなんだ。真選組の調査でも発覚しているし、本人が自白している。」
小五郎さんは不満そうだったが、頷いて、言った。「警部、ここは彼らに頼って、やつらが次に殺害しそうな人のリストを作った方がいいのでは…」
目暮警部が頷いた。「では、そのようにしてくれませんかね。」
その途端、神楽ちゃんが弾かれたように立ち上がり、後ろに行ったかと思うと、壁をゴン!と拳で殴った。もちろん神楽ちゃんの馬鹿力、壁にピキピキピキ…と亀裂が走った。
「すごい…」「蘭お姉さんみたい…」「本当ですね…」と少年探偵団のみんなが口々に言った後、神楽ちゃんが突然大声で言った。
「許せないアル!異世界でもこんなことしてやがるなんて、あいつら許せないヨロシ!あんなやつ、さっさとくたばって死んじゃえばいいネ!」
「おーい、神楽ぁ」旦那が気の抜けた声で言う。「やめろー。その壁の修理代、万事屋から出すことになんだぞー。そうすればお前の給料もっと少なくなっぞー。」
「って銀さん!」とすかさず新八くんが突っ込む。「こんな時でもお金のことしか考えてないんですね!あなたサイテーですよ!」
しかし、神楽ちゃんは止めない。それどころか、2度、3度と拳を壁に打ち付ける。ヒビが大きくなっていく。
「あちゃー。んじゃ、姫さん、やってくれや。」
旦那に言われて、「その呼び方、やめてください。」と釘を刺してから、神楽ちゃんの元へ向かう。
「神楽ちゃん?わかったから、もうやめてくれない?」
まだ、神楽ちゃんは止めない。
そこで私は、ちょっと強引だが、肩を掴んで、こちらに無理やり向かせた。すると、神楽ちゃんは私に向かって拳を突き出してきた。
覚醒しかかってる。怒りが神楽ちゃんの本能を引き出そうとしている。
私はうまく拳を避け、目の前で指をパチン!と鳴らした。神楽ちゃんの目がこちらに向かった。
「…恋奈だったアルカ。ごめんネ。私、覚醒…」
「しかかってた。怒りに身を任せちゃダメだよ。」
神楽ちゃんは目に恐怖を浮かべ、言った。「止めてくれて感謝してるアル。」
「いいえ。」
ただ、私は思った。
不吉なことが起こりそうな予感がする。
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