第九十六話
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ばされ、そこにクナイによる追撃を放った。
それも一つや二つではなく。風魔法によって強化・軌道を修正され、まるでホーミングミサイルのようになった多数のクナイが、吹き飛んでいったユウキに対して殺到する。何とか蹴りの勢いを相殺したユウキが、大地に再び立った時には、大量のクナイがそこまで迫っていた。
しかしてユウキは慌てることもなく、まずは先行していたクナイを切り裂こうとする――が、風魔法によって強化されたクナイはユウキの斬撃すら弾き、そのままユウキの肩へと炸裂する。あのクナイを切り裂くにはソードスキルを使うしかない……が、軽いソードスキルでは捌ける数ではなく、ヴォーパル・ストライクと同等の上級ソードスキルを使わざるを得ない。
……本当は通常の剣戟で弾けないほど強化したのは、最初に放ったクナイだけのため、ユウキの反応速度ならソードスキルを使わずとも乗り切れるだろうが、それを風魔法は門外漢なユウキが分かるはずもない。全てのクナイがソードスキルを必要とすると考え、これだけの数のクナイを弾くには上級ソードスキルが必要なのは確かだ。
――そして、その上級ソードスキルの硬直を、俺の抜刀術は逃さない。上級ソードスキルを使ったが最後、片手剣上級ソードスキルの射程外ギリギリかつ、近距離に迫る俺に多大な隙を晒し、晒した瞬間がこのデュエルの終わりの時だ。それを分かっているのか、ユウキは苦々しげな表情を見せたが、愛剣を握る強さが高まった。
そして放たれる上級ソードスキル――いや、これは……
「何だ……!?」
……片手剣のソードスキルを使ったことは無論無いものの、アインクラッドの経験から、このALOにサルベージされたものでも多少詳しいとは自負していた。だが、ユウキが使ったソードスキルは見たこともなく――最初の台風のような一撃が、ほとんど全てのクナイを薙払ったところで、俺はその正体に気づくことになった。
ユウキのOSSだと。
「やあぁぁぁぁ!」
強烈な上段斬りの後には神速の連撃――一撃、二撃、三撃、まだ止まる気配はない。そのオリジナル・ソードスキルは放った全てのクナイをかき消し、そのまま片手剣の連撃系上級ソードスキルの射程外ギリギリを維持していた筈のこちらへと迫ってきていた。ユウキの裂帛の気合いを前にして、こちらも日本刀《銀ノ月》を抜き放って立ちはだかった。
「ぐっ!」
嵐のような連撃を放ち続けるユウキが突きの体勢を取ったところで、俺はおもむろに左腕を突き出した。当然、ユウキの剣は深々と俺の腕に突き刺さり、こちらに言いようもない不快な感覚とともにHPが削れていく。
……だがこれでユウキのOSSは中断され、剣から手を離さない限りこちらからは逃れることは出来ない。返礼と言っては何だが、こちらもOSS
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