第九十六話
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く見てるな」
「ま、まあ? お姉さんとしては? あ、お姉さんと言えば……そのアスナも、最近妹が出来たみたいで、ちょっと元気が出たみたい、かな」
心からそう思った俺の言葉に照れたのか、リズはいきなり話題を逸らした。アスナの妹みたいな存在と言えば、と問われれば、もちろん一人の少女の姿が浮かぶ。
「ああ、ユウキか」
「呼んだ?」
「そうそってわぁ!?」
背後から突如として聞こえてきた返答の言葉に、俺とリズは揃って飛び退くとともに、すぐさまその返答が聞こえた方向へと顔を向ける。そこには予想通りに、どこか悪戯めいた顔をしたインプの少女――ユウキが立っていて。
「やりぃ! ショウキに気づかれなかった」
「見事だ……」
「何様よあんた」
リズのツッコミが痛い。まるで気を張っていなかったのも確かだったが、まったく気配に気づくことが出来なかったとは、我ながらまだまだ修行不足らしい。
「ユウキー。あんたもソレ、普通の《索敵》スキルにはバレるからね?」
「それでもやった! って感じだよ。ところで二人は……デ、デート?」
「違う違う。前言ってたソードスキルの件」
やった! というところで、本当に嬉しそうにガッツポーズをするユウキに苦笑しながら、鞘に納められた日本刀《銀ノ月》を示す。流石にSAO帰還者だということまでは言えないが、ある事情でソードスキルは使えない、という事くらいは言っていた。
「あー……じゃあさ、OSSの方は?」
事情を察してくれたようなユウキが次に聞いてきたことは、ソードスキルとともに実装されたOSS――オリジナル・ソードスキルについて。これはその通り、自分のオリジナルでソードスキルを作れる、というものだった。とはいっても、あまり簡単に出来るものではなく、リズなどは早々に作るのを諦めてしまったが。
「ふっふっふ……OSSの方は出来たわよ!」
「何でお前が威張るリズ」
……とはいえ、リズの言う通りに。アインクラッドには無かったシステムだからか、バグの影響を受けずにOSSの作成は可能だった。そして、その試し斬りも兼ねていたこのフィールドには、今やモンスターはいない。
「ふっふっふ……実はボクも出来たんだ!」
「なっ……!」
何故か胸を張っていたリズに対抗してか、いつの間にかOSSを完成させていたらしいユウキが、リズに対して胸を張り返した。この戦いは一体何だろう、と俺は風がそそぐ美しい空を仰いでいると、ふと気になってユウキに聞く。
「ところでユウキ。お前、キリトとルクスについて行く、って言ってなかったか?」
いつまで経っても憧れの人物と話の一つ出来ないルクスに対し、無理やりキリトと一緒にクエストに行かせたのだ
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